私が受け持ったある男の子(当時小学4年生)は、小さいころから機関車トーマスが大好きでした。
お母さんはその気持ちを大切にし、電車の玩具や本を買ってあげたり、いろいろな電車を見に連れて行ったり一緒に乗ったりしていました。
そうした応援のおかげで彼は好きなことをたっぷり深められました。
「電車の種類もたくさん覚え、路線も主だったものはほとんど覚えてしまった」というほどです。
その後、大学生になってからも電車への興味を失わず、その延長で観光学を学びました。
ついには旅行関係の仕事に就き、今はツアーの企画立案の仕事をしています。
過日約二十年ぶりに会ったとき、「楽しくてたまらない」と言っていました。
とはいえ、彼のように子どもの頃からずっと一貫して同じものに熱中して仕事にまで繋がるケースばかりではありません。
好きな対象がどんどん変わっていく子もいますし、その方が普通ではないかと思います。
でも、それはそれでいいと思います。
大切なのはその時々の本人のやる気の旬を応援してあげることです。
それらは全て子どもの栄養になりますし、いろいろなことをやってみる中で自分の進む道をだんだん見つけていけばいいのですから。
いずれにしても、親がすべきことは親のやらせたいことを子どもに強いることではなく、子どものやりたいことを応援することです。
私は親は監督ではなく応援団になることが大事だと思います。