体操女子オリンピック代表選手の宮田笙子さんが、日本代表としての行動規範に違反して喫煙と飲酒をしたということで代表辞退ということになりました。
それに対して「厳しすぎる」という意見が多数あがっています。
私も厳しすぎると思います。
このような厳罰主義的な対応を「ゼロ・トレランス方式」といいます。
トレランス(寛容)がゼロという意味で、非寛容方式とも呼ばれています。
違反に対しては例外なくルールが適用されるので、違反の背景にある問題(多くはその人を取り巻く環境や社会自体に問題がある)やその人の事情は一切考慮されません。
まさに問答無用です。
その主旨は、軽度な違反でも厳罰に処することで、重大な違反の発生を防ごうということです。
当然メリットとデメリットがあり、時と場合によっては一定の効果もあるようです。
例えばジュリアーニ市長が犯罪都市ニューヨークの治安を回復した例などです。
●ゼロ・トレランス方式の弊害
ただし、弊害も大きく、例えば中学や高校で導入された場合は次のような弊害が出る可能性があります。
1,問題を抱え丁寧な指導が必要とされる生徒の安易な排除が増える
2,違反の背景や事情に対する改善がなされなくなる
3,その結果、問題の背景はそのまま残るので同様の問題が起こり続ける
4,排除された生徒は立ち直りの機会を与えられず、社会からのドロップアウトに繋がることもある
5,先生と生徒の信頼関係が崩れ、生徒が先生にうっかり相談できなくなる
6,集団の雰囲気がトゲトゲしてきて先生も生徒も疑心暗鬼におちいる
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