受験生なのに、子どもが勉強しないでゲームや動画視聴ばかりをしていて、このままでは合格できない!?と頭を抱えている親御さんも多いのではないでしょうか?


今回は長年の教師経験をもとに、多くの媒体で子育て情報を発信されている教育評論家・親野智可等(おやの・ちから)さんに、厳しい受験勉強と楽しいゲーム・スマホとどう向き合うべきか伺いました。


受験という親子で臨む大きな岐路で後悔しないためにも、ぜひ参考にしてください。


中学3年生という時期を理解する


受験があり反抗期でもある中学3年生とはどのような時期なのか、尋ねました。


●脳のアクセルは成長するが、ブレーキは不十分な時期


親野:中学3年生がどのような時期か、親側で理解しておくことが、非常に重要です。

発達心理学を研究されている京都大学の森口先生によりますと、中学生になると小学生の頃より、自我も出て、力もついてくるんで、やりたいこと、欲求が大きく増えるんです。

ですが欲求を抑えるブレーキ役の脳の「前頭前野」は十分に成長していないため、キレやすくなってしまうんですね。


──ブレーキが利かないまま、アクセルだけが大きくなってしまう時期なのですね。


親野:はい。ただでさえ中学生は脳の発達が不安定な上に、この時期は友達にどう見られるかが非常に気になる時期です。

さらに今はSNSも発達しているから、余計に友達の動向が気になる。
それに加えて受験もあるので、ストレスがいっぱいなのです。




●中学3年生は「個人差」が大きい


親野:中学3年生を理解するにおいて「個人差がとても大きい」のもポイントです。

学力も、やる気も、自己管理力も差があり、一概に中学3年生だからとは言えません。
幼い子も早熟な子もいます。

受験という大きな節目を目前にしていますが、中学校3年生では、目の前のことしか考えられない子どもも、まだまだ多いです。

「子どもが人生を長期的な視野で見られるようにするには、どうしたらいいでしょうか」と親御さんから時々聞かれるんですが、難しいですね。

その子の成長ペースがありますので。


子どもの勉強のやる気スイッチを押すには親は何をすればいい?


──成長ペースを待たないといけない一方で、受験も迫っています。
子どもの勉強のやる気スイッチを押すために、親ができることはあるのでしょうか。