子どもの幸せを願って「中学受験」をすることに決めたのに、当の我が子はやる気がない…。


言う通りに勉強しない子どもにイライラしてしまう…。
そんな悩みを抱える親御さんがいます。


しかし、子どもに受験勉強を強いることは、本当に正しいことなのでしょうか?
教育評論家の親野智可等さんが語ります。




●中受が親子関係に影響…


中学受験をさせたいのですが、本人はモチベーション低め。受験に熱心な夫と息子との関係もあまりよくありません。なんとかやる気を出させるには?

(小学5年男子の母)




●受験よりも子どもの心身の健康が大切です


こちらの相談者さんのお話を詳しく聞くと、お父さんは子どもが勉強しないことに腹を立てて勉強用具をゴミ箱に棄てたり、子どもが読んでいた雑誌を取り上げて投げつけたりしたことがあったそうです。


私が改めて感じたのは、中学受験で子どもに無理をさせることの弊害がいかに大きいかということです。


こういう話は氷山のほんの一角であり、同様の事例は密かに多く起きています。


事件にならないとメディアが報道することはありませんが、将来の大きな事件の元になりかねない親子の確執が、家庭という密室の中で生み出されているのです。


そもそも10歳ちょっと過ぎたくらいの子どもたちにとって、毎日長時間の勉強をやり続けるというのは不自然なことです。


発達段階から見ても、この年代は毎日楽しく遊びまくる、時間を忘れて自分がやりたいことに没頭するという姿が自然です。黄金の少年少女時代の最後の時期なのです。


にもかかわらず、やりたいことをやる時間は取り上げられ、毎日難しい勉強をやらされ、やらないと叱られる…。


この年代の子どもたちにとって親からそのように辛く当たられるのは、苦痛以外の何物でもありません。


本格的な思春期・反抗期が始まる前のことを思春期前期と呼びます。
この大切な時期に良い親子関係を築き、親への信頼感を育てることで、子どもは他者信頼感を持てるようになります。


また、自分を肯定してくれる言葉をたくさんもらうことで、自己肯定感を持てるようになります。


そして、自分が本当にやりたいことを十分やることで、生きる喜びを味わったり、物事に主体的に取り組む自己実現力が育ったりする時期でもあります。


ところが、この大切な時期に、無理な中学受験によって真逆な方向に進んでいる親子がたくさんいます。

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