中学受験を考える親御さんたちから、「偏差値の高い中学・高校から難関大学に進学すれば、将来の職業の選択肢が広がる」という話を何回か聞いたことがあります。


私はこの考え方に疑問を感じざるを得ません。
「職業の選択肢が広がる」というのは、何を意味するのでしょうか。


ざっくり言えば、職業や就職先を決める段階になって「さあ、あなたはどんな仕事でも選べます。


弁護士、会計士、建築家、キャリア官僚、医者、パイロット、何にでもなれます」と言えることなのだと思います。


でも、それは「選択肢が広がった」というより、むしろ「特にやりたいものが見つけられなかった」ということではないでしょうか。


もし、「どの仕事にしようかな? 特にやりたいわけでもないけれど、とりあえず医者になろうかな」という発想で医者になった人がいたとしたらどうでしょう。


私は、できればそういう医者には診てもらいたくないと思います。




●「就職した後」の長い人生を考えよう


どんな職業でも就職はゴールではなく、スタートです。


職に就いてから後の人生のほうがはるかに長いですし、仕事に必要な実践的な勉強も含めて、より一層の努力が必要になります。


主体的な努力を続けていくには、その仕事に向いていることも必要ですし、何より一番大事なのは、その仕事が好きで情熱を持ち続けられることです。


その仕事にずっと就きたかったとか、本当になりたくてなったという人ならば、努力を続けることも可能でしょう。


でも、多くの選択肢から選んだだけという人には難しいのではないでしょうか?
第一、仕事をしていても楽しくないのではないかと思います。




●学歴の高さと自己実現力、どちらが大事?


以前、次のような話を聞いたことがあります。
ある小学生の男の子が、…