筆者が以前、歯科医院に行ったとき、待合室で幼稚園の年長ぐらい(5〜6歳)の男の子が「もう帰りたい。もうずっと待っている。帰って遊びたい。おなかペコペコ。帰ってご飯食べたい。もう帰りたい」といった様子でむずかっていました。


すると、母親は「何言ってるの? 帰れるわけないでしょ。あなたの歯のために来ているのよ。わがまま言っちゃダメ!」と、その子を叱りました。


男の子はもっと激しくむずかりだして、母親がもっと厳しく叱るという悪循環に陥りました。
門前払いは不信感に…子どもがわがまま、親はどうなだめたらいいのか




●分かってもらえれば諦める


子育て中の人なら、誰でもこのような経験があると思います。
こういうときはどうしたらいいのでしょうか。


筆者がおすすめしたいのは、まず、次のように言ってみることです。


「本当だよね。もう何時間も待っているね。帰りたいよね。ママもおなかペコペコだよ。帰ってご飯食べたいね」


このように言ってもらえると、子どもは「ママも帰りたいんだ。ママもおなかペコペコなんだ。僕の気持ちを分かってもらえた。ああ、よかった」と感じるはずです。


そうすることで、子どもは「じゃあ、もうちょっと我慢してみようかな」と考える可能性が高まります。


もちろん、絶対にそうなるとは言い切れませんが、このような場合、子どもも無理なことはうすうす分かっていて、「言っても仕方がないけど言ってみたい。無理だと分かっているけど、言わずにいられない」と感じていることが多いので、帰りたい気持ちを分かってもらえたことで諦めがつきやすくなるのです。


とはいえ、先述の歯科医院の事例の場合、母親が「本当にそうだよね。もう帰ろう」と言って、子どもと一緒に帰ってしまってはいけません。


それはもう共感ではなく、安易な同調です。
「和して同ぜず」の対応が大事であり、共感と安易な同調は区別する必要があります。

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