大人でも子どもでも、片づけ・整理整頓が苦手な、いわゆるだらしがない人はたくさんいます。
でも、そういう人は新しく斬新なものを生み出すクリエイティブな能力が高いという顕著な傾向があることがアメリカの心理学者キャスリーン・ヴォースの研究で明らかになりました。
私が調べたところでも、例えば、アインシュタイン、葛飾北斎、スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎、田原総一朗、城山三郎など、非常にクリエイティブな人たちの多くが机の周りも部屋も散らかっています。
これほどの天才でなくても、私たちの身の回りにいる人で、アイデアや感性が豊かな人、ちょっと人と違うことがひらめいてしまう人は、けっこう片づけが苦手な傾向があるように思います。
つまり、だらしがないのとクリエイティブなのは同じコインの裏表の関係にある資質なのです。
逆に、片づけ・整理整頓が得意な人は、事務的な処理能力が高いという傾向があります。
そして、こういう能力も非常に重要であり、そういう人でないと務まらない職業もたくさんあります。
例えば、会計士、税理士、銀行員、各種の事務職などはそうでしょう。
つまり、世の中の人がみんな新しく斬新なことを考えつく人である必要はないわけです。
それに、もしそういう人ばかりだったら、世の中は大混乱してしまうことでしょう。
そして、その人の資質は、良いにつけ悪いにつけ、生まれつきのものである可能性が大きいです。
生まれつきのものは簡単には変わりませんので、苦手なことを直すことばかりに注力するよりも、生まれつき得意なことを伸ばしてあげた方が人生全体がうまくいきます。
同時に、子どもの苦手なことには思い切って目をつむって許してあげてください。
一緒に手伝ってあげたり、やってあげたりしてください。