よく言われることですが、算数は積み上げ型の教科です。
ピラミッドの石を一番下から積み上げていくように、1つ1つ積み上げていく必要があるのです。
土台ができて初めて、その1つ上の段階に進むことができます。
土台ができていないところに、その上の部分を積んでいくことはできないのです。


 
ところが、実際の学校の授業では、土台がしっかりできていない子にも、次から次へと新しい部分が積まれていきます。
それでないと、決められた時間数の中で教科書を終わることができないからです。
しかも、教育予算が少なく、そのため教師の数が少ない日本では、大人数の集団を一斉授業で教えなければならないので、個別対応ができません。
その結果、多くのどもたちが「算数が苦手で嫌い」という状態になってしまっています。

 
ですから、算数が苦手な子については、まずその子がどこでつまずいているかを把握する必要があります。
そして、その子のニーズに合わせて個別指導していくことが大切です。

 
算数の土台となる基礎的な内容はいくつもありますが、例えば次のようなものです。 


ア、「5は3と2」「8は5と3」など、数の分解と合成

イ、「10は7と3」「10は2と8」など、10の分解と合成

ウ、「5+3」「4+4」「2+4」など、繰り上がりのない足し算

エ、「5-3」「7-5」「「9-4」など、繰り下がりのない引き算

オ、「9+3」「8+5」「6+8」など、繰り上がりのある足し算

カ、「12-9」「15-8」など、繰り下がりのある引き算

キ、掛け算九九

 
その子がつまずいているところを把握したら、やり方を教えて反復練習で習熟をめざします。
子どもによっては、アとイの段階から、指や積み木などの具体物を使って、実際に数えながらおこなうところから始める必要があります。
しかも、できないからといって叱ったり嫌みなことを言ったりしないで、常に「穏やかに優しく」が大事です。

初出『Smile』(学研エデュケーショナル)

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