[ 問題 ]


Eさんは、子供が小さい頃から毎晩、膝の上に乗せて絵本の読み聞かせをしてきました。
その子は、今3年生です。


ところが、先日参加した子育てセミナーの講師が、読み聞かせは2年生くらいでやめるべきだと言っていました。
その理由として、次のような点を挙げていました。
読み聞かせの方が楽だから、いつまでも読み聞かせをしていると、自分で読もうという気持ちにならなくなる。
自分で読ませないと、自分で読む力が付かない。 


さて、あなたの行動は次のどれに近いですか?


A.今まで通り読み聞かせを続ける

B.講師の言った理由を子供に分かりやすく説明して、これからは自分で読むように言う

C.2日に1回というようにして、だんだん減らしていく

D.膝の上に乗せるのは変えないで、自分で読ませるようにしていく







診断結果

何才だからとか何年生だからという話には、注意が必要です

読み聞かせを喜んでいる間は、本人がそれを必要としているのです。
ですから、一番いいのはAです。



Aを選んだ人:◎

読み聞かせは何年生までなどという基準はありません。
子供が喜んでいる間は、ぜひ、やってやってください。
子供が自然に離れていくときが、必ずくるものです。
そのとき、その子は自然にそれを卒業するのです。
熟した果実が自然に落ちるのと同じです。
無理に卒業させると、ろくなことはありません。



Bを選んだ人:×

大人の理論や理屈を押しつけても、子供は納得しません。
理論や理屈を説明されても、 それで読み聞かせを卒業できるわけではありません。



Cを選んだ人:×

親子で楽しんでいるものを、どこかの誰かが考えた理論や理屈でやめることはありません。 
読み聞かせは、ただ読書好きにするというだけではなく、親子の触れ合いの場でもあるのです。



Dを選んだ人:×

親に読んでもらうことが楽しいのです。
ですから、こういうときは読んでやってください。 
十分に読み聞かせをしてもらっている子は本が好きになっていますから、親がいないときは自分で読むようになります。


ポイント


何才だからとか何年生だからという強迫観念は、子育て中の親をいつも惑わします。 
そのような強迫観念に捕らわれると、自分の子供の本当の姿が見えなくなるものです。
その多くは、ただの迷信にすぎません。


もちろん、中には、科学的に研究されたものもあります。 
たとえば、4年生くらいから抽象的思考力が芽生えてくるというようなことです。
しかし、その場合でも、それぞれの子供によってその時期には大きな幅があるのです。
3年生の始めころには芽生えてくる子もいれば、5年生の終わりころになる子もいるのです。


それらはただ、一般的にそうだというだけなのです。
ところが、実際の子供たちの中には、 一般的な子供などただの1人もいないのです。


私は、いつも教室で同じ年の子供たちを何十人も教えていますが、それぞれが全く違います。 
ありとあらゆる面で、それぞれの発達段階は千差万別です。
とても一律にくくれるものではありません。


ですから、大切なのは、それぞれの子供に応じた接し方なのです。 
自分の子供をよく見て、その子に応じた対応をすることが重要なのです。 
何才だからとか何年生だからという理論は、参考にはしても、鵜呑みにしないことです。


それを鵜呑みにして、「もう○年生だから○○はしない」などとやると、必ず弊害が出ます。
その子が踏むべきだったステップを、十分に踏まないで次に進んでしまうことになるからです。
子供に必要なのは、それぞれの発達段階をしっかり踏んで、自然に卒業していくことです。 
無理にペースを上げると、ろくなことはありません。


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