今回の相談

 昨今子どもたちの理科離れが叫ばれているようです。うちの子は小2の男子と年長の女子ですが、ゆくゆくは理科が好きな子になって欲しいと思っています。そのためにはどんなことに気をつけたらいいでしょうか?

相談者・のりのりこっこ さん (小2男子と年長女子)


【親野先生のアドバイス】

のりのりこっこさん、拝読しました。

私がまず一番におすすめしたいのは、子どもの自然体験を増やすことです。

例えば、しろつめ草で冠を作る、オオバコで草相撲をする、泥団子を作る、すすきの穂でミミズクを作るなどです。
落ち葉の布団の中で、ほのかな暖かさを感じながら親子で寝てみるのも楽しいですね。

昆虫採集に出かけるのもいいですし、できたら親子で昆虫飼育に挑戦してみましょう。
都会に住んでいる人でも、ちょっとその気になればできることです。

家庭で毎年何か一つ、植物を育てるのもいいですね。
土を作り、種をまき、水をやり、花を咲かせ、実をならせる、こういった一連の過程を実際に体験することが大切です。 

動物を見たり触ったりエサをあげたりなどの触れ合いもおすすめです。
小動物ならぜひ抱きかかえてみて欲しいです。
魚や鳥についても同じような体験をさせてあげてください。

地層を見に行く、化石発掘を体験する、柱状節理を見るなどすれば、地学への興味が育ちます。

プラネタリウムで星座に親しむ、天体観望会で星を見る、星座盤を片手に夜空を見るなどすれば、天文学への興味が育ちます。

こういった体験が豊かになればなるほど、子どもの感性と知性が磨かれます。
自然に親しむ心も育ちますし、森羅万象の不思議さ、美しさ、奥深さにも気がつくようになります。

もっとやってみたい、もっと知りたいという気持ちも育ちます。
こういった気持ちこそが理科的・科学的な探究心の源になるのです。

ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典さんが、子どもの頃に夢中になっていたのは昆虫採集と天体観測だそうです。

顕微鏡やライトスコープでいろいろな物を拡大して見る経験も、ぜひさせてあげてください。

ライトスコープというのはライトがつく簡易型顕微鏡で、簡単にいろいろな物を拡大して見ることができます。

カラー印刷物は全ての色が赤、青、黄色の3原色の点の集まりによってできているということがわかりますし、植物の葉っぱには小さな毛がたくさん生えていることもわかります。

いつも目にしている世界の一歩先に、未知の世界が広がっているのです。