今回の相談
女の子なのに片づけが苦手で整理整頓ができません。何度言ってもできるようになりません。使えば使いっぱなし、出せば出しっぱなしです。(ゆりちゃんまま さん:小学2年生女子)
【親野先生からのアドバイス】
ゆりちゃんままさん、拝読いたしました。
女の子でも片づけや整理整頓が苦手な子はけっこうな割合でいます。ですから、「女の子はできて当たり前」と思わないほうがいいでしょう。そう思っていると、よけいに叱りたくなってしまいますから。
片づけや整理整頓が苦手な場合、私のイチオシの方法はお片づけタイムを取ることです。教師だったとき、私は帰りの会で毎日必ず1分間お片づけタイムを取っていました。
毎日の帰りの会の最後に当番が言います。
「机の中の物を全部出しましょう。1分間お片づけタイム。用意、始め」
そして、ストップウオッチを押します。
この1分間で子どもたちは机の中のゴミや要らない物を捨てたり、持ち帰るべき物はカバンの中にしまったりします。また、バラバラになっている物を揃えたり、使いやすいように並べ替えたりします。
自分でうまくできない子は隣の子や班の子に手伝ってもらうようにしました。
そういう子に「人に頼らず自分で全部やりなさい」などと言うと、いつまでもできなくて、結局こちらがイライラするだけです。そういう事態はあらかじめ避けたほうが賢明です。
それに手伝ってもらって一緒にやっている過程で、やり方を覚えることができます。大きい順に並べるとか、あまり使わない物は奥に入れるなど、上手な子がコツを伝授してくれるのでこちらも大助かりです。
そして、毎日お片づけタイムを取っていると、時間も1分より少なくて済むようになります。
このお片づけタイムを確実に取っていると、どの子の机の中も整理整頓された状態になります。ですから、片づけのことで叱る必要はまったくなくなります。
それどころか、「○○君、片づけが上手だね」とほめてあげることができます。
私は、これを家でもやると良いと思います。
たとえば5時15分になったら音楽が鳴るようにタイマーでセットしておき、それを合図に5分間お片づけタイムを取るのです。
親子で一緒にやって、触れ合いを楽しみながらやり方を教えても良いですし、あるいは別々のところをやっても良いでしょう。それは、子どもの実情に合わせて決めてください。
そして、終わったら必ず見届けてほめてあげます。気になることがあったら、ほめたあとで伝えるようにします。
この順番なら、子どもは素直に聞いてくれます。