今回の相談
 
 整理整頓が苦手で、学校のお便りや授業で使うプリントがぐちゃぐちゃです。おまけに塾のプリントも多くて何が何だかわからなくなっています。ランドセルも塾のバッグも底にプリントがたまっています。(カナロック さん:小学6年生男子)


【親野先生からのアドバイス

カナロックさん、拝読いたしました。

こういう子はたくさんいますね。特に高学年になると、授業で使うプリントも増えますし、それ以外にも委員会活動・クラブ・行事などのプリント類も増えます。また、塾によってはプリントを中心に学習を進めるところもありますので、さらに増えることになります。

そして、これが中学生になると、またそれ以上に増えることになります。まさに、紙との戦いといった感じですが、これは高度情報化社会である現代を反映しているのです。ですから、プリントや書類などを適切に管理していく能力を育てていくことは現代の子どもたちにとって大切なことと言えます。
でも、これが苦手な子に向かって、「ちゃんとやりなさい」と口で言うだけでは絶対にできるようになりません。その子に応じた親の適切な手助けが求められます。
苦手な子の場合は、合理的な工夫をして子どもが少しでもやりやすいようにしてあげることが大切です。その方法をいくつか紹介していきます。

私は教師のとき、子どもたちに色の違う2種類のクリアファイルを持たせていました。一つは「しばらくファイル」で、もう一つは「毎日ファイル」です。

「しばらくファイル」には、しばらくの間いつも持っている必要のあるプリントを入れます。たとえば、歴史の授業で使う戦国時代の資料、朝の歌の歌詞、係活動のチェック表、運動会の練習スケジュールなどです。
「毎日ファイル」には、家に置いてくるプリント、家で親に渡すプリント、学校で先生に提出するプリントなどを入れます。たとえば、学校便り、PTAアンケート、宿題のプリント、戻ってきたテストなどです。ですから、このファイルの中は毎日必ず空になるわけです。
「しばらくファイル」に入れてあった戦国時代の資料も、その勉強が終われば「毎日ファイル」に入れて家に置いてきます。

私は1年生でも6年生でも必ずこの二つのファイルを持たせていました。なぜこうしたかというと、私も子どもたちのプリント管理については大いに頭を悩ませていたからです。
この方法を思いつく前は一つのファイルしか持たせていなかったので悲惨でした。管理が苦手な子は、家に置いてくるべきものをいつまでも持っていたり、逆に授業などで必要なプリントは家に置いてきたりということが頻発していました。
この二つを分けてからかなり改善されました。

ところで、「しばらくファイル」のほうはクリアファイルでなくてクリアポケットファイルを使ってもよいと思います。これは、透明のポケットがたくさんついていて、その中にプリントを一枚ずつ入れられるファイルです。これなら必要なときに目的のプリントを見つけやすいと思います。
ただ、いちいちポケットを開いてその中に入れるのは少し面倒です。それに、けっこう重いということもあります。

なお、どのファイルを使うにしても、プリントを折りたたむときは文字が書かれている面を表に出してたたむように教えてください。そうでないと、プリントを探すとき一枚一枚開いて見なければなりません。