今回の相談
長女は習い事を5つやっています。本人はどれも楽しくがんばっているのですが、中には夕食前だけでなく夕食後に出かけるものもあり、生活が不規則になっています。
その日のうちに宿題をやらせたいのですが、疲れてそのまま寝てしまうこともよくあります。そういうときは、次の日の朝大慌てでやることになります。
どうしたら生活のリズムができるでしょうか? (大雪小雪 さん:小学3年生女子)
どうしたら生活のリズムができるでしょうか? (大雪小雪 さん:小学3年生女子)
【親野先生からのアドバイス】
大雪小雪さん、拝読いたしました。
現代の日本は子どもも本当に忙しいですね。小学3年生で習い事5つを抱えているのではかなりたいへんでしょう。絶えず追われていて、ホッとする時間も持てないのではないでしょうか?
「本人はどれも楽しくがんばっている」とのことですが、「本当にそうだろうか?」という疑問もわいてきます。それは、私がある女の子の実例を知っているからです。
その子は4年生まで完璧な子でした。勉強も運動もよくできリーダーシップもあり、先生や友達に信頼されていました。習い事や塾にもたくさん行っていて、そのすべてにおいて優秀で常にトップクラスでした。
でも、5年生になったある日、突然すべてを投げ出してしまい学校にも来なくなりました。家の自室に閉じこもって親とも顔を合わせなくなりました。そして、リストカットを始めてしまいました。
やっと心療内科の先生に見てもらったところ、次のようなことを言われたそうです。
彼女は長い間がんばり過ぎて疲れ切ってしまい、燃え尽き状態になっている。親を喜ばせたいという気持ちもあり、それに生真面目で我慢強い性格もあり、愚痴もこぼさずがんばり過ぎてしまった。その溜め込んだストレスが一気に出てしまった。
お母さんはそれを聞いてショックを受けました。今まで、その子は何かを嫌と言ったこともありませんし、愚痴一つこぼしたこともなかったのです。そして、何かを始めればすぐうまくなり良い成績を取ることができました。ですから、親は本人も喜んでいると思っていました。
だから、どんどんやらせたのです。親は決して押しつけているつもりはありませんでした。
このような例は、決して珍しいものではありません。子どもは、親が喜ぶ顔を見たいという気持ちを本能的に持っています。ですから、親の願いを敏感に察知して自分の願いにすり替えるのです。
そして、この女の子のように生真面目で自己管理能力も高い子は愚痴一つ言わずにがんばってしまうのです。そして、溜め込んだストレスが一気に出るということになります。これは中学受験でも言えることです。愚痴や文句を言ったり、適当に手を抜いたりする子のほうがある意味健全であると言えます。
このようなわけで、大雪小雪さんのお子さんも本当に楽しんでいるかわからないわけです。本人も気付かないうちにストレスを溜め込んでいる可能性もあります。
それに、習い事や塾通いが多すぎると他のいろいろな時間が取れなくなるという弊害もあります。
ホッとして素の自分に返る時間、ボウッとする時間、ぼんやり自分を見つめる時間、ダラダラする時間、何か自分だけの楽しみに没頭できる時間、こういう時間も大切です。
読書をしたり、自然の中で季節の変化を感じたりする時間も大切です。友達とおしゃべりする時間や家族とのんびりする時間も大切です。
親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP
↓↓↓↓↓
つづく親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP