新学習指導要領は、小学校では2011年(平成23年)度、中学校では2012年(平成24年)度から完全実施されます。
今回の改定で何が変わるのでしょうか?理科の変更点について親野智可等先生に伺いました。
●
「今回の改訂において理科で注目するべきなのは、観察や実験を通して『実感を伴った理解』を得ることを目標としている点です」と親野先生は言います。
本当に『実感を伴う』ためには、観察や実験などの体験を大切にするべき。実験は「4人ひと組」ではなく、最低でも「ふたりひと組」で行う必要があるそうです。
「器具が不足している学校もあります。理想としては理解できますが、あまり現実に即しているとは思えません。器具の問題がクリアできても、観察や実験には絶対的な時間がかかる。新たに学ぶことも増えているので、授業時数が少し増えても『焼け石に水』でしょう。先生も子どもたちも苦労すると思います」
●
「何か家庭でできることはありませんか?」と聞くと、親野先生は次のような対策を教えてくれました。
「学校ができないことは家庭でフォローできます。学科として勉強させるのではなく、親子で取り組む『楽しい体験』にしてください」
●温度と湿度を計測して、記録して表にしてみる
部屋の温度や湿度を計る。お風呂のお湯の温度を計る。気圧計を購入して気圧を計る。それから計った数値を記録して、表やグラフにしてみます。そして、気づいたことをノートにまとめます。このように「数値化して考えてみること」が理科的な視点を養うための出発点となります。
●好奇心を刺激する道具をたくさん揃える
「おもしろいこと」を発見すれば、理科に対する好奇心が刺激されます。右のように「理科心」を刺激する道具はたくさんあります。10歳までの子どもなら、与えっぱなしにせず、いっしょに観察して感想を聞きます。気づいたことをノートに書くのもよい方法です。
●図鑑を5冊揃えてリビングに置く
ジャンルの違う理科の図鑑を5冊購入しましょう。そして、いつでも取り出して読めるように、リビングなどに並べておきます。そして、親子で話をしたりテレビを観たりしているときに「気になったこと」を図鑑で調べてみる習慣をつけましょう。
●お手伝いをする
「お手伝い」は理科の実験に役立ちます。液体を容器から別の容器に移したり、かき混ぜたりする作業は実験その物だからです。
「積極的に実験をする子は台所仕事をしている」と親野先生。「お手伝いの体験」で子どもは自信を持ちます。理科にかぎらず、さまざまな教科で強みになるそうです。
初出「頭のいい子15号」学研
今日のアマゾンを見てみる
親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP