小学生の理科や社会は親に「サブ」として扱われがちな教科です。
しかし、じつはこの二つほど「学び」の要素がたくさん詰まった教科はありません。

理科や社会で子どもたちは『生きていくために必要なこと』を学びます。
それは私たちの実際の生活を見てみればわかります。

医療、建築、政治、経済、法律、年金制度……。
私たちの実際の生活に必要なものを見てみると、『理科』や『社会』に関係するものが非常にたくさんあることがわかります。

それでは、理科や社会を楽しく学ばせるために、親は何をしたらいいでしょう?

大事なのは、子どもがそれらを好きになるきっかけをたくさん用意してあげることです。
図鑑、漫画、グッズ、体験などで、よいタネをたくさんまいてあげましょう。

今回は主に理科について考えてみます。
ところで、理科的なものに対する好奇心は2つの傾向性に分かれます。

ひとつは「自然体験」を中心とした好奇心です。
動物、昆虫、植物、気候……。

この分野に興味を示す子どもは、キャンプ、野外活動、自然の中での遊び、などを好む傾向があるようです。

そして、もうひとつは「メカニカルなもの」を中心とした好奇心です。
飛行機、船、ロケット、ロボット……。

この分野に興味を示す子どもには、本物を見たり触ったり作ったりする体験をさせてあげるといいと思います。 

年代が進につれて好奇心の傾向性がはっきりしてきます。
でも、それまではあまり親が範囲をせばめない方がいいでしょう。

小さいうちから『メカニカルが好きだから植物図鑑は喜ばない』と決めつけないようにしてください。

もちろん、過度な押しつけはよくありませんが、親がよいと思ったものを紹介・推薦してあげることは大事です。


理科ワールドに魅せられるきっかけづくりとしては、次のようなものがあります。


●ライトスコープ


ライトスコープは「ライトつきの強力な拡大鏡」なので効果は絶大です。
倍率は30倍で5歳でも扱えます。


●顕微鏡


子ども用の顕微鏡でも倍率は1000倍前後あります。
水中の微生物、砂糖の結晶、花の花粉、昆虫の羽、好奇心を刺激するものはたくさんあります。


●リビングに置く図鑑・事典


理科の図鑑はたくさん用意してあげましょう。
そしていつでも出せる場所に置くことです。
本棚に飾るだけでは意味がありません。


●星座早見盤


日付の目盛りと時間の目盛りを合わせることで、その日そのときの星座が確認できるのが星座早見盤です。
星座早見盤を手に星空を見て星座の探しっこ競争をしてみましょう。


●温度計・湿度計


「寒いな」と感じたら「何度?」と聞き、子どもに確かめてもらいます。
「蒸し暑い」ときは湿度を聞きます。
実感と数字を結びつけることで理科のセンスが育ちます。


●水族館


海の生き物を間近かで観察することで命の不思議について学べます。
見学に行ったあとに図鑑で確認するとさらに好奇心が増します。
動物園や昆虫館も同じです。


●植物栽培


「水やりと観察」で栽培を体験をさせましょう。
1つの栽培を経験するだけでも植物全般に対して興味が広がります。


●ETV


NHK教育テレビ「ETV」では、子どもの好奇心を刺激する番組がたくさん放送されています。
セレクトして親子で一緒に視聴しましょう。

初出:「10歳までに決まる!頭のいい子の育て方」(学研パブリッシング)

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