親野 「さて、感想文について2回にわたって提案してきました。
http://oyaryoku.blog.jp/archives/64652754.html
http://oyaryoku.blog.jp/archives/64653034.html
でも、これらの方法ではまだ不十分な子もいるということも知っておいてください。

つまり、知的な能力において問題はないのに、読んだり書いたりすることが極端に苦手な子もいるのです。

その場合、発達障がいの一種の、読み・書き障がい『ディスレクシア』の可能性があります。

はっきりディスレクシアということでなくても、ボーダーライン上の子もかなりいます。
これは本人が怠けているとか努力が足りないなどということではありません。

それを知らないままで、子どもを叱り続けてしまうと、親子で苦しむことになります。

その子に応じたサポートが必要です。
 

たとえば、『読み聞かせをしてあげる』『拡大コピーをして読みやすくしてあげる』『親子のおしゃべりで感想をふくらませ、お母さんがまとめて話して、それを書き写させる(口述筆記)』などです。

 

『宿題だから自分で書かさなければ』など杓子定規に考えないで、その子に応じて手助けしてあげてください。

どうしても無理なら読書感想文はやめて、その代わりにその子が好きで得意なことをやっていけばいいでしょう。
その旨を担任の先生に言っておけば大丈夫です。
 

子どもを不必要に苦しめて、わざわざ自信をなくさせる必要はありません。

ディスレクシアの人が、別の面ですばらしい才能を発揮することも多いことがわかってきていますので、とにかく苦手なことをつついて自信をなくさせないことが大切です。

 

もし、お子さんがディスレクシアかもしれないという場合は、ネットで検索して調べたり、本を読んだりしてみてください。
 必要に応じたいろいろなサポート方法も紹介されています。

 

また、担任の先生に相談するのもいいですね。

担任がそのことについてあまり知らないようだったら、情報を伝えるなど上手に啓発していきましょう」

 

親野先生、ありがとうございました。


 夏休みの『読書感想文』というと、ちょっぴりゆううつなイメージがありました。
 本を読んで、おしゃべりして、感想文をまとめる……この一連の作業を、親子で楽しみたいと思います!

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