いろいろな昆虫を飼ったり観察したりする勉強がある。
そこで、授業中の子供たちの様子を見ていて言えることは、これほど体験がものをいう勉強はないということである。
しかし、そもそも昆虫など見たこともないし、ましてや触ったこともないし、触りたくもないという子も中にはいる。
こういう子は、一言でいえば食わず嫌いなので、授業が進む内に段々興味が出てきて触れるようになることが多い。
だが、その頃はもうその勉強は終わりである。
一、二年生の生活科の中で多少は経験してきているが、学校の限られた授業時間中だけの経験では全く不十分である。
反対に、それまでにもいろいろな昆虫を飼ったり観察したりしたことのある子にとっては、これほど楽しい授業はない。
みんなが持てない昆虫だって持てるし、みんなが知らないことだって知ってるし、発表だってどんどんできるし、おまけに先生やみんなが「すごい」と言ってくれるのである。
子供にとって、昆虫や植物との触れ合いは自然科学的、理科的な探究への第一歩である。そこでの豊かな経験こそが、自然や科学・理科に対する知的好奇心の元を作るのである。
したがって、もし子供を理科好きにしたかったら、親がリードしていろいろな経験をさせてやることである。
そういう努力をしないで、「この子は理科が苦手だ。」などという見当外れなことを言ってはいけない。
親子で飼うのには、次のような昆虫がよい。
てんとう虫、だんご虫、青虫からも んし ろちょう、かまきり、かたつむり、かぶと虫、くわがた虫、すず虫、こおろぎなど。
張り切って用意していざ飼い始めても、子供は飽きるのが早い。
これは子供の特性の一 つだと思っていた方がよい。
そういう場合は、親ががんばればよい。
親が飼い方の見本を見せてやるくらいの気持ちで、全面的に取り組むことだ。
それを見ているだけでも、子供にはよい勉強になる。
学習漫画の「昆虫の秘密」、「昆虫の飼い方」、「昆虫図鑑」などの本を買ってやるのも効果的だ。
もちろん、親子で昆虫採集をしたり、昆虫博物館に行ったりするのもよい。
初出「小学三年生の心理」(大日本図書)
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