夏休みの宿題で悩ましいものの1つが読書感想文です。
これに取り組むときにどんなことに気を付けたらいいでしょうか?

まずもって一番大切なのは感想文を書く本を選ぶ段階です。
読書感想文の「でき」は、本選びでほぼ決まります。

その子のその時の興味・関心や成長度合いに、ピタリと当てはまる本を選ぶことが大事です。
そういう本を選べば、子どもの心に強く響き、書きたいことも自然に湧いてきます。
その結果、感想文の内容も豊かなものになるのです。

私のイチオシは、子どもに実際の体験があることを扱った本です。
しかも、その子にとって深く心に残る体験であればあるほどいいのです。

私の教え子の例を紹介しましょう。
その子は、小さいときからずっとかわいがっていた愛犬がなくなるという体験をしました。
それで、同じことがらを扱った本を読んで感想文を書きました。

親に聞いたところでは、その子は本を一気に読んで、感想文も一気に書き上げたそうです。
本の内容と絡めながら、自分の何年にも渡る犬との触れ合いについて書きました。
犬が病気でなくなったときの様子や自分の気持ちも切々と書きました。

実際に体験したことと本で得たことを併せて考え、感想文を書くことで整理しつつ深めていったのです。
それは、本人も気が付いていなかったと思いますが、その子が一番書きたいことだったのです。

これが読書感想文の基本形であり理想形でもあります。
最大の関心を持って読めて、自然に書きたいことが溢れてきて、書き上がったものもすばらしいものになるという形です。

その全ては、どの本を読むかで決まるのです。
もちろん、いつもこの例のようにはいかないと思います。
でも、できるだけでもいいのでこれに近い形を目指すべきです。

でも、この読書感想文の基本形を理解している人はほとんどいません。
たいていの場合、親が読ませたい本、世に言われるすばらしい本、毎年変わる推薦図書や課題図書、などなどから選んでいます。

その本が、わが子の内面にある一番書きたいことを刺激するかどうかということは、ほとんど考えていません。

そういう本を選んでおきながら、無理矢理いい感想文に仕上げさせようとして、あれこれ口を出して書き直させたりしていると、子どもは読書も感想文も嫌いになってしまいます。

ということで、本選びが大切なのですが、ただ、このようにピッタリくる本を子どもが自分で見つけるというのは至難の業です。

そこで、親の出番です。
大人である親が検索の技術を存分に発揮すれば、そういった本を見つけることができます。

親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
遊びながら楽しく勉強
親野智可等の講演
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP