ワーキングメモリーが脳科学・教育学・心理学などの分野で注目されています。
ワーキングメモリーとは、思考・判断・行動・作業・学習などに必要な複数の情報を、頭の中に一時的にとどめながら処理する能力のことです。
イメージ的にいえば、何か作業するときの作業台のようなものです。
例えば、工作などで物を作るときに、作業台の上に必要な物を用意して、あれをやったりこれをやったりしながら、だんだん一つの物を作りあげていきます。
ワーキングメモリーとは、この作業台のようなものです。
作業台が広ければ広いほど、より多くの必要な物をすぐ使える状態で広げておくことができ、複雑な作業も可能になり、作業の能率が上がります。
逆に、作業台が狭いと複雑な作業がやりづらく、能率も上がりません。
●勉強ではワーキングメモリーが大事
例えば、国語の学習において文章を読んで理解し、自分の経験と照らし合わせて考えたり、それを文章にまとめたりする作業にもこのワーキングメモリーを活用しています。
算数・数学で、問題やグラフを読み取って式を作ったり、計算したりするのにも使います。
私が4年生の子どもたちに算数を教えていたときのことです。
785÷29などという大きな数どうしの割り算を筆算するときは、785の中に29がいくつ入るかを求めます。
それを知るためには29を概数の30にして、まず78の中に30がいくつ入るかを考えます。
78の中には2つ入るので、仮の商として2という数字を8の上に書きます。
次に29と2を掛けて、答えの58を78の下に書き、それから引き算をしますね。
その後も、また仮の商を立てたり掛けたり引いたりという複雑な過程があるわけですが、ワーキングメモリーの容量が少ない子は、やっている途中で今何をやっているのかがわからなくなってしまうのです。
大人でも、複雑な思考や仕事をしているとき、途中で自分が何をやっているのかわからなくなってしまうことがあると思います。
●日常生活でも大事なワーキングメモリー
日常生活においても、やるべきことを忘れずにちゃんとやったり、人にいわれたことを覚えておいて行動したり、人と会話をしたりするなど、あらゆる場面でワーキングメモリーを使っています。
そして、この能力が高いほど、複雑で高度な思考や行動が可能になります。
ですから、学力を上げるためにも、仕事や生活の質を上げるためにも、ワーキングメモリーを鍛える必要があるのです。
●ワーキングメモリーを鍛える方法とは?
ワーキングメモリーを鍛えるにはどうしたらいいのでしょうか。
それについては下記の方法がお薦めです。
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