1年間の締めくくりのこの時期に、大切なこととは何でしょうか?
それは、子どもが1年間のがんばりや成長を実感できるようにしてあげることです。
 

子どもたちは学校からいろいろな物を持ち帰ったはずです。
それらを、ほめるきっかけとして活用してください。
 

たとえば作文、絵、工作、生活科でつくった作品などを持ち帰ったら、そのまま放っておくのではなく、しっかり見てほめてあげて欲しいと思います。
 

「何これ? 下手だなあ!」と内心思ってしまうこともあるかも知れませんが、そういうときもほめるためのコツを知っていればほめることができれます。
 

それは、部分に注目してほめるということです。
「ほめられる部分はないかな?」という意識して見れば、必ず見つけ出すことができます。
 

絵だったら、「この鳥がすごくかわいいね」「手と足が大きくて迫力があるね」「川の色がとってもきれいだね」というようにほめます。
 

作文だったら、「会話のところがいきいきしてるね」「ゴールしたときのことが詳しく書けてるね」「このときのうれしい気持ちがすごく伝わってくるよ」というようにほめます。
 

その後も、絵や作品を上手に飾るなど、それらを大切に扱ってあげてください。
 

・お菓子の箱を台座にして、その上に工作を載せ、「小人の行進 裕介作」とタイトルをつけて、玄関に飾る
・安い額物でいいので絵を入れて飾る
・作品の写真をおじいちゃん・おばあちゃんに送る
・作品の写真をプリント・アウトしてアルバムに貼る
 


 
体の成長をほめよう

 
身体測定の記録表を見たら、1年間の体の成長をほめてあげましょう。
 

「入学したときは身長が110センチだったけど、3学期には116センチだね。何センチ伸びた?」
「う~んと、6センチ」
「当たり。すごいね6センチも伸びたんだ~! うれしいねえ」
「すごいでしょ~」
 
「はい、この物差しで・・・、0がここで6センチがここ」
「え~、こんなに伸びたんだ」
 
「大きくなってくれてありがとう」
「来年も大きくなって、いまにママを抜かしちゃうよ」

 
このように、実際に物差しを使って6センチの長さを見せてあげると子どもは喜びます。
 

「体重は18.9キロだったのが21.4キロだから、何キロ増えた?」
「え~、わかんない」
 
「2.5キロだよ。1リットルのペットボトルで2本と半分の重さだよ」
「持たせて、持たせて」
「どう?」
「けっこう重いね~」
 


 
叱る材料でなく、すべてをほめるきっかけに

 
算数の楽勉も兼ねながら、こういったことをやってあげるといいでしょう。
この時期の子どもたちは、自分が大きくなっていくのが純粋にうれしいのです。

 
このように、身長や体重の伸びも「自分の成長」として実感できるようにほめてあげてください。
「子どもなんだから伸びるのが当たり前」なんて思わないようにしてくださいネ。
 

このほかにも、学習のまとめ、体育・スポーツテストの記録表、学校でのスナップ写真、先生にもらったミニ賞状など、いろいろなものを持ち帰ったと思います。

 
また、持ち帰ったものでなく、1年生で使ってきたノートやプリントなどもあると思います。

 
いずれも叱る材料でなく、ほめるきっかけにしてください。
とくによいものでなくても、その子なりにほめられる部分を見つけてあげてください。

 
もちろん、成績表についても同じ姿勢で臨んでください。
 


 
2年生の目標もできていく

 
このように、プラス思考で一年間を振り返る時間を持つと、子どもは「自分もけっこうがんばったな。成長したな」と思えるようになります。
すると、自然に「2年生もがんばろう」という気持ちが出てきます。
 

そういう流れの中で、2年生でがんばりたいことなども話題にしていくといいでしょう。
そうすれば、2年生の目標ができますので、春休みもだらけ過ぎることなく過ごせます。

 
親の中には、「1年生では漢字が苦手だったから2年生ではがんばるんだよ」というように否定するところから入ってしまう人がけっこういますが、これでは子どものやる気は高まりません。

 
あら探しをするのでなく、ありのままの子どもを肯定してあげましょう。
そうすれば、本人の中に自然にやる気とエネルギーがわいてきます。
 
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