●大人は「上から目線のほめ方」をしがち


子どもをほめるとき、上から目線のほめ方になっていませんか。
親も先生も、大人はどうしてもそうなりがちです。


例えば、子どもが食器を洗ったとき、「やるべきことがちゃんとできてえらい」。
子どもがお風呂掃除をしてくれたとき、「お手伝いを忘れずにできて立派」。
お兄ちゃんが妹の面倒を見てくれたとき、「お兄ちゃん、えらいね」。


これらはすべて上から目線のほめ方です。


こういうほめ方が全部NGだというつもりはありませんが、いつもこういうほめ方ばかりだと、子どもは「ほめられるためにやる」という意識になる可能性があります。




●「横から目線のほめ方」を意識しよう


そこで、意識してほしいのが、次のような横から目線のほめ方です。


「ママは仕事で疲れていたから、手伝ってくれて助かったわ」
「ありがとう。○○をやってもらえて本当に助かるわ」
「あなたが○○をやってくれて楽になったよ。うれしいなあ」
「○○をやってくれたおかげで、夕食の準備がはかどったわ」
「妹の面倒を見てくれてありがとう。助かったよ。妹もうれしそうだったね」


これらの言葉は、素直に感謝する気持ちや、喜びの感情を伝えています。


つまり、親と子どもが上下の関係にあるのではなく、一人の人間同士として、感謝したり喜びを伝えたりしているのです。




●「ほめられるため」ではなく「共に幸せになるため」に


感謝や喜びを伝えられた子どもは、相手が喜ぶのを見て自分もうれしいと感じます。
つまり、相手の喜びが自分の幸せでもあるという経験をすることになります。


こういう経験をたくさんすることで、「ほめられるため」ではなく、「共に幸せになるため」に行動すること自体に喜びを感じるようになります。