親が子どもの能力を伸ばしたいと思うのであれば、子ども自身がやりたいことや好きなことを応援して、たっぷりやらせてあげることが大事です。


筆者は長年、小学校の教壇に立ち続けてきましたが、そういう「熱中体験」によって、子どもがぐんぐん伸びる例をたくさん見てきました。



●親の応援は不可欠

例えば、筆者が担任として指導した小学2年のある子は昆虫が大好きで、日頃から、いろいろな虫を自分で捕まえたり、飼ったりしていました。


その子の親も昆虫に関する図鑑や絵本、学習漫画を買い与えたり、一緒に昆虫採集したり、飼育を手伝ったりして、その子を全力で応援しました。


ある日、生活科の授業でダンゴムシの採集をしたとき、その子は数え切れないほどのダンゴムシを捕り、みんなに分けてあげました。


また、その子はダンゴムシの飼育方法にも詳しく、ダンゴムシが好む湿り気のある土、枯れ葉、腐葉土、朽ち木などを飼育箱に入れるとよいことをクラスの子どもたちに教えました。


それがきっかけで、クラスで「ダンゴムシ博士」と呼ばれるようになったのです。


どちらかというと、その子はクラスで孤立しがちで、他の子とけんかすることも多く、係の仕事や掃除もサボりがちでした。


ところが、「ダンゴムシ博士」と呼ばれるようになったことが大きな自信になったようで、それ以降はけんかをしなくなり、他の子と協力して、係の仕事や掃除ができるようになりました。


みんなが自分を博士として認めてくれて、心を開くことができるようになったのが大きか
ったと思います。


また、筆者が受け持った小学6年のある子は“歴史博士”でした。その子は筆者の担任以前から、数多くの歴史漫画を読みまくっていて、歴史の知識は大人である筆者を上回っていました。


また、親がその子を博物館や史跡によく連れて行き、発掘体験をすることもあったので、歴史的な遺物のレプリカをたくさん持っていて、自分で作るのも好きでした。


夏休みの自由研究では、石器、土器、埴輪(はにわ)、竪穴式住居のほか、「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印などを紙粘土で作って、クラスの友達の中で大評判になりました。


その子は当時、歴史以外の勉強はそれほどできませんでしたが、中学3年になってから、学力がぐんぐん伸びて、地域で一番の進学校に入りました。