学校が再開され、1か月あまりがたちました。
いつもとは違うこの夏、学習面や生活面で、どんなことを大切にして、どのように過ごすのがよいのでしょうか。
教育評論家の親野智可等先生にお話を伺いました。
●誰もが手探り状態。子供の気持ちを最優先に
授業の再開状況は、都道府県や市町村、また学校によっても違います。
今までなかったことなので、何が正しいのかよくわからず、みんな手探り状態です。
そんな中、休校中の学習の遅れをどう取り戻すかについては、先生がたにもおうちのかたにも、気持ちの焦りがあると思います。
学校では、学習内容を取捨選択したり、授業時数を増やしたりなど、試行錯誤しながら授業を進めていこうとしています。
ただ、勉強をギュウギュウに詰め込むことは、必ずしも子供のためにはなりません。
それでなくても休校や自粛ですでにストレスをため込んでいる子供に必要なのは、休んだり遊んだり、ぼーっとしたりする時間です。
「うちの子、無理をしているみたい」というときは、子供の気持ちを最優先に考え、宿題の量などについて先生と交渉してみることを考えてもよいかもしれません。
●心のケアのキーワードは「共感的」
学校再開後の子供の様子もさまざまです。
友達に会えるようになってうれしい、学校が始まって生活リズムが戻った、という子がいる一方で、登校することに不安を感じている、外に出たがらなくなり疲れやすくなった、という子もいます。
この時期、おうちのかたは、子供を少し注意深く観察して、「いつもと違う」と感じることがないか見てあげてください。
「違う」と感じたら、それはストレスの兆候かもしれません。
そんなときは、まず、子供の話をじっくり聞いてあげましょう。
大切なのは、「共感的」に聞くこと。
叱ったり、意見を言ったり、励ましたりする前に、共感して受けとめることで、子供は安心してもっと話せるようになります。
たくさん話せば子供のストレスが軽減されると共に、親のほうもいろいろな情報を得て対策を考えやすくなります。
●睡眠時間の確保+夏休みは「やりたいことをたくさんやる」時間に