子どもが小さいとき、ぜひ、読み聞かせをしてあげてほしいと思います。
親の愛情を感じつつ、ゆったりとくつろぎながら本の世界の楽しさを味わうのは、子どもにとって至福のひとときです。
本の中には、現実には出会えないような世界が広がっています。
きれいで面白い絵、楽しいお話、びっくりするような発見、初めて知ることなどが詰まっています。
ワクワクしながら次のページに進むうれしさ、好きなお話を何回も繰り返し聞くときの心地よさ、こういう経験が子どもを本好きにしてくれます。
本が好きになると、自分で読みたい本をどんどん読んでいけるようになります。
すると、語彙が増え、読解力、表現力、思考力がつきます。
知識も増え、同時に知的好奇心も育ちます。
登場人物の気持ちを想像する経験をたくさんすることで、他者の気持ちを思いやれるようになります。
同時に、自分の思考や感情を客観的に見るメタ認知力も育ちます。
次に、読み聞かせをするときの注意点をいくつか挙げます。
読み聞かせというと絵本を思い浮かべる人が多いと思いますが、中には絵本のような物語性のある本より図鑑のような物づくし的な本を好む子もいます。
その子の好きな本を優先してあげてください。
また、読み聞かせている最中に、子どもが「これは○○。おいしい」などと口を挟んだり、どんどん次のページをめくったりこともあります。
そういうとき「ちゃんと聞かなきゃダメ」と叱るのはNGです。
「親がしっかり読み聞かせて、子どもはちゃんと聞く」ということより、絵本を通して子どもと楽しくコミュニケーションを取ることを優先してください。
言い換えると、絵本で親子が楽しく遊ぶということでいいと思います。
そういう意味では、私は、「読み聞かせ」というネーミングに問題があるかも知れないと思っています。
初出 コンパス@アルク
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