コロナ禍をきっかけに、私たちの生活や仕事などいろいろな面で見直しが行われている。
この機会に、小中学校の授業のあり方も見直す必要があると思う。


なぜなら、日本でずっと行われてきた授業スタイルの“限界”が明らかになっているからだ。




●コロナ禍でますます開く学力格差の問題点


日本では、1学級最大40人の児童・生徒の集団に対して、1人の先生が一斉授業を行うというスタイルが基本だ。


こういった授業でいちばん問題なのが、児童・生徒たちの学力格差が非常に大きいということだ。


とくに、算数・数学の授業でそれが顕著だ。


公立の小中学校の場合、同じ年齢の児童・生徒の集団とはいっても、算数・数学における学力格差は非常に大きい。


例えば5年生の児童に「円の面積」を教えるとしよう。
中には、塾などで学習済みですべて完璧に理解している子もいる。


一方、基礎的なかけ算やわり算さえおぼつかない子もいる。
足し算や引き算さえできない子がいることもよくある。


こういった子どもたちを相手に一斉授業を行う先生は、どのレベルに焦点を当てて進めればいいだろうか?


もし学力上位の子たちに焦点を当てて進めれば、当然、大多数の子を落ちこぼすことになる。


だから、多くの場合、学力が「中位の下」か「下位の上」くらいのところに焦点を当てて進めることになる(「中位の下」とか「下位の上」などという言葉は好まないが、ほかに適当な表現が見当たらないので使用する)。


さて、これでも「下位の上」より学力が低い子たちには難しくて理解できない。
でも、さらにレベルを下げてしまうと、時間がかかりすぎて進度が遅れることになる。


すると、1年間で教科書を終わることができなくなる。
だから、先生はこれらの子たちが理解していないことがわかっていても、授業を次に進めていかなければならないのだ。


これらの子たちには、その子の学力に応じた個別な指導が必要なのだ。
でも、先生にはそれを行う時間がない。


先生たちはつねに超多忙で、やるべきことが山のようにあり、そういう個別な指導をする時間が取れないのだ。

つづきはこちらから ↓↓↓
東洋経済オンライン

こちらも併せてお読みください ↓↓↓
勉強が嫌いな子。どうしますか?