ある幼稚園児の家におばあちゃんが遊びに来ました。
その子はとても喜んだのですが、おやつを食べ終わった途端に、「おばあちゃんはいつ帰るの?」と聞きました。
お母さんが慌てて「失礼でしょ。謝りなさい」と叱ったのですが、おばあちゃんには孫が本当に言いたかったことがわかりました。
  

その子は、おばあちゃんと一緒に過ごせる楽しい時間がいつまで続いてくれるのかと心配になっただけのです。
決しておばあちゃんに早く帰って欲しかったわけではありません。
おばあちゃんにはその気持ちがわかったので、優しく「今日はゆっくりできるから、夕飯も一緒に食べようね」と言いました。
すると、その子は大喜びしました。
 

このように、子どもの言葉には、その裏に本当に言いたいことが隠れていることがあります。
表面的な理解のまま対応すると、子どもも大人もいたずらに消耗してしまいます。
 

例えば、おじいちゃんの葬式のときに子どもが「おばあちゃんはいつ死ぬの?」と言ったら、これは「おばあちゃんには長生きして欲しい」という意味です。
 

あるいは、壁の落書きのことで弟を叱ったときに「お兄ちゃんもやったよ」と答えたら、お兄ちゃんに責任転嫁しているというより、「ぼくだけでなく平等に叱って」と言いたいのです。
 

「勉強って何のためにするの?」と言ったら、これは「勉強がよくわからない。面白くない。助けて」と言いたいのです。
それを理解しないまま、「将来のため」「職業の選択肢が増えるから」などともっともらしい理屈を一生懸命に話しても意味はありません。
 

今回は”言葉”について書きましたが、”行動”の裏にも本当に言いたいことが隠れています。
「この子、今日は落ち着きがないな」と感じたら、朝から叱られたとか、家で親同士がけんかしていたなどの理由があるかもしれません。
常に、子どもの言葉や行動の裏にあるものを理解するように心がけましょう。

初出『Smile』(学研エデュケーショナル)

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