あるお母さんが子どもに「あまりのある割り算」について教えていたときのことです。
計算の答を「7・・・2」と書いたら、子どもが「お母さん、その黒丸は何?」と聞いてきました。


それで、「『あまり』という意味じゃん。習ったでしょ」と言うと、子どもが「そんなの習ってない。初めて見た」と言うではありませんか。
  

それで、お母さんが教科書を見てみると、すべて「7あまり2」のような書き方になっていて、「・・・」という書き方はどこにも載っていませんでした。


さらに、インターネットで調べてみると、その教科書を出版している会社のサイトに「平成12年度版まで『6あまり15は6・・・15とかくこともあります』と示していたけど、その後は削除した」といった主旨の記述があるのを見つけました。
 

そして、大略、次のような理由も書いてありました。
「算数においては、『・・・』の表記を他の場面でも使用することがある。
そこで、『・・・』の意味についての混乱を避けるために,わり算のあまりを表すときは「あまり」の言葉を用いるようにした。」
 

このように、子どもたちが使う教科書も時代と共に少しずつ変わってきているのです。


算数では、この他にも、リットルの書き方が「「ℓ」(小文字の筆記体)から「L」(大文字の活字体」に変わったこともけっこう大きな話題になりました。
これは、平成23年の文部科学省による教科書検定において「単位は国際単位系に準じること」という検定意見が出たからです。
 

引き算の筆算における繰り下がりの書き方とか、足し算の筆算における繰り上がりの1を書く場所、掛け算や割り算の筆算のやり方なども、時代によって変化してきましたし、同じ時代でも教科書によって違いがあります。
 

ですから、大人が子どもに教えるとき、自分が子どものころに教わったやり方で教えると子どもが混乱することがあります。
まず子どもの教科書を見て、それに沿った形で教える必要があります。

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