【質問】
お祭りの準備で近所の親子がみんな集まって作業しているとき、中学1年生の娘に「ちゃんと座りな」と注意しました。
すると、「あんた、うぜえ」と言われました。
もう恥ずかしくて顔から火が出るかと思いましたが、聞こえないふりでスルーしました。
でも、未だに「あれでよかったのか?言い返すべきだったのか?」と悶々としていま
す。
キャベログさん(中学1年 女子)
【親野先生のアドバイス】
拝読しました。
近所の人たちが大勢いる中で、そんなことを言われたら親としては耐えられないですよね。
恥ずかしい気持ちに加えて、悔しさもあり腹も立ったことでしょう。
本当に、お気持ちお察し申し上げます。
「聞こえないふりでスルー」したとのことで、私はそれでよかったと思います。
立派ですよ。これぞ大人の対応ですよ。
そこで、「『うぜえ』とはなんだ!」言い返して、みんなが見ている中で言い争うなどということになっていたら、お互い引くに引けない状態になっていたかもしれません。
そして、そういったことが心のしこりになって、必要以上に親子関係が悪くなってしまう可能性もあります。
お子さんは中学一年生ということですので、実はご質問のようなことはよくあることです。
本格的な反抗期ですから、こういう言葉を使って、自分は今までの自分とは違うということを示したいのです。
そうやって反抗することが自我の確立のために必要なのです。
おまけに、この時期は体内のホルモンバランスが崩れていて、感情コントロールがうまくいかずにイライラしている状態が続きます。
ですから、状況とか親の立場なども考えずに、こういう言葉を発してしまうこともあるわけです。
私の知り合いの漫画家・高野優さんは、中3の娘から突然「くそばばあ」と呼ばれて、ショックのあまり返す言葉が見つからなかったそうです。
そして、次のように書いていらっしゃいます。
まさか自分が「くそばばあ」と言われる日がくるなんて!?
怒りよりも驚きのほうが強くて、口がぽかんとあいたまま。
時間が経つにつれ、なんとも言えない苦い気持ちになり、信頼している臨床心理士の先生に話したところ、思いがけない答えが返ってきた。
「子どもにくそばばあと言われたら、子育てが大成功の証よ!」と。
反抗するのは成長したからだとは思う。でも、それがまさか大成功とは!
首を傾げるわたしに向かって、先生はあたたかい言葉を紡ぐ。
(「「子どもにクソババァと言われたらー思春期の子育て羅針盤」より)
ここに書かれているように、お宅の娘さんも順調に育ってきているのです。