私が小学校の先生だったとき、あるお母さんからこう言われたことがありました。
「ノートの使い方が上手だと、うちでほめてるんですけど、先生からもほめていただけるとうれしいです」。
こういうふうに頼まれたんですね。


それで、私もことあるごとに「ノートの使い方が上手だね。うまく間を空けてあって見やすいね」「番号を縦横で揃えて書けてるね」とほめました。
後で聞いたのですが、このお母さんは塾の先生にも同じお願いをしていたそうです。


つまり、その子は家でも学校でも塾でも同じことをほめられたのです。
三カ所で同じことをほめられれば、子どもはもう疑いようがありません。
まさか裏で連携しているとは思いません。


その子はノートの使い方に自信を持つようになり、勉強もさらにがんばるようになりました。
私はこれはいい方法だと気がつき、「チームでほめる」と名づけました。


これに関して、以前テレビである実験を見たことを思い出しました。
ある会社員の人が出社したとき、最初に会った人から「元気ないね。だいじょうぶ?」と言われました。


そこで、「そんなことないよ。元気だよ」と答えたのですが、しばらくしてまた別の人に「顔色悪いよ。病気じゃない?」と言われました。
それで、ちょっと表情を曇らせながら「そんなことないよ」と答えました。


ところが、しばらくしてまた別の人に「顔色悪いよ。カゼひいたでしょう」と言われ、とうとう「カゼみたいなので病院に行ってきます」と上司に言って早退しました。


このように、大人でも同じことを三人に言われるとその気になってしまうのです。
子どもにおいてはなおさらであり、チームでほめる効果は絶大です。
ぜひ、親がこのチームをプロデュースして、みんなで子どもをほめてあげて欲しいと思います。


ところが、実際はこの逆が多いのです。
中には、「うちの子だらしがないから、先生からも叱ってください」などと、叱るチームをプロデュースしている親もいます。


家で叱られ学校で叱られ塾で叱られ…。
これでは、どんな子でも「ぼくってダメだな」と思い込んでしまいます。
先ほどの会社員がカゼだと思い込んだように。


人生は思い込みで決まります。
子どもがよい思い込みができるようにしてあげてください。
そうすれば、自分で伸びていくことができます。


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