小学校の先生だったとき、私は学年の変わり目に子どもたちに新しい教科書を分けるのが好きでした。
というのも、子どもたちは新しい教科書をもらうととてもうれしそうな表情をするからです。
勉強が得意な子はもちろんですが、不思議なことに苦手な子でもうれしそうなのです。
 

学年が変わり、クラス、先生、友達、教室などいろいろなことも変わるので、どの子も「何か素敵な一年が始まりそう。今年はがんばろう」という新鮮な気持ちでいるのだと思います。
そんな中で手渡される教科書も、真新しくて新鮮で、その瞬間だけは勉強が何か楽しいことのように思えるのかもしれません。


とはいえ、こういう気持ちも長くは続かず、4月が終わるころにはまたいつもの日常に戻ってしまうのですが…。
 



しかしながら、私はそのような子どもたちの姿を見て気がついたことがあります。
それは、「どの子もみんな勉強ができるようになりたいのだ」ということです。
同時に、先生としてその気持ちに応え切れていないことをすまなく思いました。
 

どの子にも生まれながらの資質があり、理解の早い子がいれば遅い子もいます。
記録力の優れた子もいればそうでない子もいます。
加えて環境の違いもあります。


ですから、今その子が勉強が苦手でも、それはその子のせいとばかりは言えないのです。
せめて学校では、どの子に対しても、その子の資質やペースに合わせてじっくり寄り添いながら伸ばしてあげなければならないはずです。


 

でも、実際の日本の学校ではそれができません。
なぜなら、一人の先生が受け持つ子どもの数が多すぎるからです。
できない子に個別指導をしてれば、全体の指導ができなくなり、進度が遅れ教科書のカリキュラムを年度内にこなせなくなってしまいます。
それを実現するためには、欧米各国のように少人数教育に舵を切る必要があるのです。


でも、学研教室なら個別指導ができます。
ぜひ、一人一人の子に寄り添ってあげてほしいと思います。

初出『Smile』(学研エデュケーショナル)

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