4月は入学や進学のシーズン。
子どもたちを取り巻く環境は大きく変わります。

学校が変わる子も多いでしょうし、そうでない子も学年とクラスは変わります。
もちろん友だちも変わり、先生も変わります。

そんな新しい環境の中、多くの学校で授業参観が行われます。
長年、小学校の教師として子どもたちを見てきた私としては、ぜひ、この初めての授業参観を有効活用してほしいと思います。
そして、そのためにはちょっとしたコツがあります。

●「授業参観」最優先で見るべきは…

まず、強調したいのは、「授業参観」という名前になってはいますが、実は親が見るべきいちばん大事なものは授業ではないということです。
いちばん大事なのはズバリ“休み時間”です。
子どもが休み時間をどのように過ごしているか、ぜひ見てください。
そうすれば、新しい環境に適応できているか否かがよくわかります。

授業では、子どもたちはそれぞれの席に座って、先生の指導のもとみんな同じように行動しています。
言ってみれば、よそ行きの行動ばかりです。
でも、休み時間は違います。
子どもたちの本当の姿が見られるのです。

多くの場合、授業参観は5時間目なので、可能な場合はちょっと早めに行って、その前の昼休みの時間から見るようにするといいでしょう。
理想を言えば、親が自分を見ているということに、子どもが気づいていない状態で見られればいちばんいいでしょう。

子どもが親の目を意識すると、普段と違う行動をする可能性が出てくるからです。
休み時間に楽しく幸せそうなら適応できていると言えます。
中でも大事なのは友だち関係です。
子どもの悩みでいちばん多いのが友だち関係のことだからです。

もちろん、休み時間には読書をしたり絵を描いたり、1人で過ごしたいという子もいます。
そうした姿を見ると、親としては心配になるでしょう。
でも、本人がそれでいいならよしとしましょう。
過度に心配して「みんなと遊ばなきゃダメでしょ」と強制する必要はありません。