掛け算の九九は足し算や引き算と並ぶ算数の土台の一つです。

3年生以降で学ぶことになる「2桁の掛け算の筆算」「割り算」「あまりのある割り算」「面積」「分数」「小数の掛け算」「倍数と約数」「割合」「分数の掛け算」「分数の割り算」「異分母分数の足し算」「異分母分数の引き算」「倍と割合」「比」といったあらゆる勉強で、九九はその土台となります。

例えば、4年生では「268÷35」などの2桁で割る割り算を学びます。
実は、これがとても難しいのです。
ここでつまずいて算数に苦手意識を持つ子が急激に増えます。
これは、小学校の算数の最大難関の1つです。

まず、割られる数の中に割る数がいくつ入るかを予想して仮の商を立てます。
ここで九九が必要です。
そして、35と仮の商をかけます。
ここでも九九が必要です。

そして、かけた答が割る数より大きければもう少し大きな仮の商を立てて、あるいは小さければもう少し小さな仮の商を立てて、再度同じ計算を繰り返します。

また、例えば分数の計算で約分や通分をするときも、最大公約数や最小公倍数がすぐ頭に浮かぶことがとても大切です。
ここでも九九の力があるかないかで大きな差がついてしまいます。

●九九の答えが瞬時に出るようにする

このようなわけで、その後の勉強をスムーズに進めるためには九九を完全制覇することが非常に大切なのです。
完全制覇というからには、「二一が2(にいちがに)」「二二が4(ににんがし)」「二三が6(にさんがろく)」といった具合に九九が順番通りに言えるようになるだけでは十分ではありません。

バラバラに出てくる九九について、瞬時に答えられることが大切なのです。
「九三?」「18!」、「五二?」「10!」、「八九?」「72」といった順不同の問題に瞬時に答えられてはじめて完全制覇といえます。
瞬時に答えられないと、その後に学ぶより難しい学習に対応できません。

例えば、複雑な筆算の途中で「8×7」が出てきたとき、いちいち「8×2=16」「8×3=24」……とやっていては間に合いません。

●4つのステップで完全制覇を目指す

九九の完全制覇は「上がり九九」「下がり九九」「段ごとのバラバラ九九」「完全バラバラ九九」の4ステップを踏むことで実現できます。

上がり九九とは「2×1」から始まって「9×9」で終わる九九のことで、下がり九九とは「9×9」から始まって「2×1」で終わる九九のことです。

段ごとバラバラ九九は、2の段でしたら「2×5」「2×8」「2×3」といった具合に、段ごとにバラバラにした九九のことです。

完全ばらばら九九とは、すべての段の問題が順番通りでなくばらばらに出てくる九九のことです。
「3×4」の次に「8×7」が出てきたりするものです。

●上がり九九と下がり九九は九九表で行う

まずは「上がり九九」です。
これには九九表を用意します。
できれば「7」に「シチ」といった具合に振り仮名をふっておくといいでしょう。

上がり九九は、表を見ながら声に出して練習しますが、このとき大切なのは、語尾まで正確に言わせることです。 
例えば「3×9=27」は「さん、く、にじゅうしち」の最後の「しち」をはっきり言わせます。
語尾をいい加減にしてしまうと、子どもはスピードを重視して「さん、く、にじゅうし」などと唱えてしまいます。

親が語尾まではっきり言っているかチェックし、言えてなければきちんとアドバイスしてあげましょう。
「上がり九九」の目標は、暗記で1度もつかえることなく1分以内に全部言えることです。
まずは「正確さ」を重要視し、じょじょにスピードアップをはかります。

これがクリアできたら、次は「下がり九九」です。
これも暗記で1分以内を目指します。

「段ごとバラバラ九九」は、段ごとにバラバラにした九九カードを作って練習させるといいでしょう。
そして最後が「完全バラバラ九九」です。

これについては、バラバラにした九九カードで練習するのが一般的です。
もちろん、これもとてもよい方法ですが、私のイチオシはプリントを使う方法です。
まず、「2×2」から「9×9」までの九九がバラバラに出てくるプリントを作り、何枚もコピーして毎日繰り返し練習するのです。
このプリントは、「2×1」や「3×1」などの「○×1」は抜いて64問にします。

というのも、「○×1」などは当たり前すぎるので反復練習する必要がないからです。
「『○×1』も九九なのだから入れなければ」などと杓子定規に考えないで、子どもの余分な労力を省いて負担を軽減してあげることも必要です。

親がストップウォッチを片手に「スタート!」と合図し、子どもに答えを書かせていきます。
すると、やるたびに新記録が出ますので、子どもは大いに喜びます。
しかも、やったプリントがたまっていくので、「こんなに勉強した」という達成感があります。

これも目標は1分以内です。
これが達成できれば九九の完全制覇です。
大いに子どもを褒めてあげましょう。

九九の練習についてはこちらも、ぜひ!

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