子どもには、子ども自身の人生を生きる権利があります。
親はその人生を少しの間預かって、お世話しているだけです。
それも、一人の人間としてこの先を生きていくための土台となる、最も大事な時期を預かっているのです。


その大事な時期にいる子どもにとって親は環境そのものです。
だからこそ、親がいいと思う人生や行動を押し付けるのではなく、子ども自身がやりたいと思っていることを大切にして、それを最大限に手助けしてあげることが親の務めなのです。


二〇〇八年の北京オリンピックで金メダルをとった女子ソフトボールチームの上野由岐子選手は、小さいころバレエを習わされていたそうです。
お母さんがやらせたくて始めたのですが、レオタードを着せようとすると上野選手が大泣きして嫌がったため、お母さんはバレエを習わせるのをあきらめたそうです。


そこでお母さんが無理にバレエを続けさせていたら、上野選手はソフトボールをやっていなかったかもしれません。
その後のピッチャーとしての上野選手の活躍もなかったかもしれないのです。


大リーガーのイチロー選手にしても、お父さんは一度も「野球をしろ」と言ったことはないそうです。
野球を選んだのはイチロー選手自身で、それをお父さんが全面的にバックアップしてきたのです。


お父さんは「一朗がサッカーをやりたいと言っていたら、私も一緒にボールを蹴っていたでしょう」と話しています。
子どものやりたいことを最優先して、全面的にそれをあと押ししてくれる存在がいたことが、現在のイチロー選手誕生につながったと言えます。

 
上野選手のお母さんにしてもイチロー選手のお父さんにしても、共通しているのは子ども自身の意思や気持ちを大事にしていることです。
親の意思ではなく自分の意思でやりたいことを思う存分やれることで、子どもは毎日を生き生きと過ごすことができます。
能力も自信も意欲も備わります。


このような子は、生涯にわたって、「自分がやりたいこと」をどんどん積極的にやっていくようになります。
「自分が何をやりたいのかわからない」などと悩むこともありません。


上野選手やイチロー選手と同様、自分の気持ちを大事にされた子どもは、自分の資質や才能を開花させていくことができます。
何より、無気力でまわりに流されることなく、自分の頭で考え、行動できるようになります。


どの子にも、このような主体的な人生を送れるようにしてあげてほしいと思います。


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