子どもが泣いていました。

道を歩いていて、止めてあった自転車にぶつかったようです。

すると、近くにいた親が「ちゃんと前を見てないからでしょ。まったくお前は。もっと気をつけて歩かなきゃダメでしょ」と言いました。

ああ、なんて冷たい対応なんでしょう。
まさに塩対応です。
これでは、子どもがかわいそうです。

こういうとき、まずは、痛い気持ちに十分に共感してあげることが大事です。
まずは、「痛かったね~」言ってあげてください。
何か言うべきことがあったら、共感の後に言うようにします。

すると、子どもは「自分がどんなに痛かったかわかってもらえた」と感じることができて、心が安らかになります。
自分の気持ちをわかってくれる親が大好きになります。
信頼する気持ちも高まり、素直な気持ちも出てきます。
すると、親の指導やアドバイスも気持ちよく受け入れられるようになります。

では、なぜ、多くの親たちがこういう塩対応になってしまうのでしょうか?
愛情がないのでしょうか?
いいえ、そうではありません。

愛情はあるのですが、同時に「しつけなければ」という思いもあるからです。
そして、この思いが強ければ強いほど、否定的な言葉で叱ることが増えます。
それによって、子どもは親の愛情を疑うようになり、「愛されていない。大切にされていない」と思い込むようになります。

すると、ますます親に対して反発するようになります。
それで、親の方もさらに叱ることが増える、という悪循環・・・。
こういうパターンで親子関係がこわれる例が非常に多いのです。
というか、ほとんどがこれです。

そうならないためには、どうしたらいいでしょうか?
私が提案しているのは、「親だから子どもをしつけなければ」「親だから子どもに○○させなければ」「○○を直さなければ」という思いを一度脇に置いてみることです。

それよりも、「一人の人間同士として付き合う」「一人の人間同士として一緒に生きていく」というスタンスで臨むようにしてみてください。

子どもも当然ながら一人の人間です。
あなたが掛け替えのない一人の人間であるのと同じように、子どもも掛け替えのない一人の人間なのです。
しかも、これから何十年も生きていく上での一番大事な時期を、親がお預かりして、育てさせていただいているのです。

子どもは天からの授かりものではなく、預かりものなのです。
お預かりして、育てさせていただいているのです。
一人の人間が一人の人間を「授かる」、つまり「もらう」などということはあり得ないことです。

ところが、「多くの親たちはお預かりしている」というようには思っていません。
もらった気になっています。
それで、ほとんどの親が、子どもを自分よりもはるかに下の存在として見てしまうのです。
中には、自分の付属物のように思っている人もいます。

だから、遠慮がなくなります。
親という圧倒的な権力に溺れて、やりたい放題になってしまう人もいます。

そうならないために、「自分の子ども」という点に重点を置くのではなく、「一人の人間」という点に重点を置いてみてください。
すると、子どもをリスペクトする気持ちが出てきます。

それによって、自然に言葉も丁寧になります。
冒頭のような場面でも、「ちゃんと前を見てないからでしょ。まったくお前は。もっと気をつけて歩かなきゃダメでしょ」などという乱暴な言葉は出なくなります。

もちろん、子どもが人に迷惑を掛けたり、危険なことをしたりなど、良からぬ行動をしたときは放っておいてはいけません。
親としてしっかり導かなければなりませんが、一人の人間としてリスペクトしながら導くことが大事です。

感情的かつ否定的に叱るのではなく、穏やかに言って聞かせる、わかるように諭す、こういうことが大事です。
誠心誠意、心を込めて伝えてください。

リスペクトしている相手には、それにふさわしい言葉が出てくるようになります。
子どもも、親が自分をリスペクトしてくれて、大切にしてくれているのを感じます。
すると、子どもも親をリスペクトするようになります。

親が子どもを見下していれば、子どもも親を見下すようになります。
自分から出たものが自分に返ってくるのです。

子どもは侮れない存在です。
甘く見てはいけません。
全身全霊であなたのことを見ています。

キレて叱る前にこれをしてみてください。
キレる寸前で踏みとどまれる人の3つの習慣 「自分都合の不機嫌」を子どもにぶつける前に

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