「兄弟の仲が悪い。もっと仲よくさせたい」と思ったとき、ほとんどの親は叱るところから始めてしまいます。

「なんであなたたちはそんなに仲が悪い?もっと仲よくしなきゃダメでしょ」
「お兄ちゃんのくせに、なんであなたはそんなに意地悪するの?」
と、まあ、こんな感じになってしまうのです。

これだと、子どもたちは「ぼくたちは仲の悪い兄弟なんだ」と思い込むようになり、お兄ちゃんは「どうせぼくは意地悪なお兄ちゃんですよ」と思い込むようになります。
そして、こういうイメージを持ってしまうと実際にそうなってしまう可能性が高まります。

つまり、親が否定的な言語化をしてしまったので、否定的な自己イメージができてしまったのです。
そして、この自己イメージというのは、無意識層に働きかけて、人間が自分をつくっていくときの設計図になってしまう可能性があるのです。

ですから、この反対に、ほめるところから始めるようにしてください。
まず、「よし、ほめて兄弟仲をよくしよう」と決意して、ほめられる場面を探しましょう。

すると、2,3日後に、お出かけするときお兄ちゃんが弟の帽子を出してくれるかも知れません。
あるいは、弟がこぼした味噌汁を拭いてくれるかもしれません。
そこを見逃さずに、「おにいちゃん、よく気がつくね。弟も幸せだ、こういうお兄ちゃんがいると。仲のいい兄弟でうれしいわ」とほめます。

すると、お兄ちゃんは、「ぼくっていいお兄ちゃんみたい」「ぼくって優しいお兄ちゃんなんだ」と思えるようになります。

つまり、先ほどとは反対に、肯定的な言語化によって肯定的な自己イメージができあがったのです。
それによって、実際にそうなっていく可能性が高まります。

たいていの場合、親たちはこういったほめられる場面を見逃しています。
「できて当たり前」という意識があるからです。
それで、結局いつも叱るところから始めることになるのです。

兄弟仲だけでなく、これは万事に言えることです。
「しつけたいことはほめるところから始める」と決意して、ほめられる場面を意識的に探すようにしてください。

「肯定的な言語化で肯定的な自己イメージを持たせてあげる」ことが大事なのです。
「否定的な言語化は否定的な自己イメージを持たせてしまう」ということを忘れないでください。

言語化と自己イメージについてはこちらも、ぜひ。 
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言語化と価値づけで、子どもによい自己イメージを持たせよう

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