人間の幸福感に強い影響を与えるのは、所得や学歴ではなく、「自己決定」の度合いだということが明らかになりました。
神戸大学の西村和雄特命教授と同志社大学の八木匡教授の研究で明らかになりました。

ここにあるグラフを見ると、学歴によってもたらされる幸福感は非常に小さいことがわかります。
世帯年収額の要素もけっこう大きいですが、一番大きいのは自己決定の度合いだということがわかります。

そして、自己決定の度合いを評価するにあたっては、「中学から高校への進学」、「高校から大学への進学」、「初めての就職」について、自分の意思で進学する大学や就職する企業を決めたか否かを尋ねたそうです。
要するに、自分の生き方を自分で決めてきた人たちは幸せを感じているのです。

この調査は、全国の20歳以上70歳未満の男女を対象にしたそうですが、私は子どもにおいても同じことが言えると思います。

この結果を見ると、わが子を「もっとよい学校に行かせたい」「もっと高いレベルの学校を受験させたい」と思いすぎている親は、ちょっと考え直した方がよさそうですね。

実際に、私もいろいろな子どもたちを見てきていますが、自分がやりたいことをやれている子どもたちが一番幸せそうです。
毎日生き生きしていますし、顔の表情も豊かで声も大きいです。
明るくて快活、元気いっぱいでエネルギーに溢れています。

幼稚園や保育園の子どもたちを見ていても、よくわかります。
個々の子どもの興味関心を大切にして、やりたいことをたっぷりやらせている園の子どもたちはすごく元気です。

家庭においては特にその差が顕著になります。
親にやらされることばかりが多い子は、イマイチ元気がありません。
自分がやりたいことをたっぷりやれている子は元気いっぱいです。

下記の報道のように、発達心理学者でお茶の水女子大学名誉教授の内田伸子先生の研究でも、幼児期に自分がやりたい遊びをたっぷりやれている子の方が後伸びすることがわかっています。

"遊ぶ子は賢くなる" 調査まとまる
       (NHK 生活情報ブログ)


上記、2014年02月14日 (金)のNHKニュースによると、偏差値68以上のいわゆる「難関大学」に合格する子どもたちは、小学校入学前にたっぷり遊んでいた率が高いのです。

ということで、みなさん、子どもには子どもの人生を歩ませてあげましょう。
子どもを幸せにしたいと思ったら、親の押しつけをやめて、自分がやりたいことをやらせて、応援してあげましょう。

親は監督でなく応援団でいいのです。

ちなみに
親がよい応援団になった例はこちら

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