知り合いの編集者に聞いた話です。
彼が子どものころ、家のトイレ、リビング、子ども部屋などの壁に、いろいろな算数のポスターが貼ってあったそうです。
一番印象に残っているのは、トイレにあったかけ算九九のポスターです。
 

毎日見ているといろいろな発見ができました。
例えば、「4の段は答が4ずつ増える」「5の段は5飛びの数になっている」「かけられる数が2倍になると答えも2倍になる」などです。


彼がこういった発見を親に話すと、いつもほめてもらえてうれしかったそうです。
また、自然に足し算、引き算、九九などの基本的な計算が得意になったそうです。
今、彼は「自分が算数が好きになったのは、ポスターのおかげかもしれません」と言っています。
 

このように貼っておくだけで効果のあるポスターのことを、私は楽勉ポスターと呼んでいます。
算数の楽勉ポスターには、九九の他にもいろいろあります。
小学校入学前後にお薦めなのが、1から120くらいまでの数が「10の固まり」ごとにまとめられていろポスターです。
これは、10進法の構造(位取り)を理解するのに役立ちます。
 

足し算や引き算のポスターもお薦めです。
これも毎日見ているといろいろな発見ができます。
例えば、足し算のポスターを右斜め下に見ていくと「1+1=2」「2+2=4」「3+3=6」となっていき、「足す数も足される数も1つずつ増えると、答えは2つずつ増える」ことが分かります。
 

また、右斜め上に見ていくと「8+1=9」「7+2=9」「6+3=9」となっていて、「足される数が減って、足す数が増えているから答は同じまま」ということがわかります。