●すぐに宿題にとりかからないのは、どの子も同じ

 
「学校から帰ってきても、なかなか宿題をやろうとしない」

 
こうした悩みを持つ親は多いようだ。
いろいろな統計で、「親の悩みトップ3」にこれが入っているのをよく目にする。
今回は2回にわたって、宿題についてお話しする。



「帰ってきたら、すぐ宿題をやりなさい」
「やることをやってから、遊べ」
「何度言ったら自分から宿題をやるんだ!」

 
このように、ついつい叱ってしまう親も多いはずだ。
そこには、「嫌なことを後回しにするようなだらしない大人になってほしくない」という親心もある。




●子どもだって学校で疲れている
 

しかし、子どもにとって、学校はかなりの緊張やストレスを強いられる場である。
一日中、学校にいると身体も心も疲れるのだ。

 
大人だって、1日中会社でがんばって帰ってきたら、少し息抜きをしたいだろう。
帰宅後すぐに書類を作れといわれても、勘弁してほしいと思うに違いない。

 
子どもも同じだ。
疲れて帰ってきて、すぐに宿題をやれと言われも無理なのだ。
ほとんどの子は、口に出さなくても勘弁してほしいと思っている。




●帰宅後すぐの宿題にこだわる必要はない
 
 
もちろん、帰宅したらすぐに宿題をやる子もいる。
それでないと、すっきりしないという子だ。
それは、それでいい。
だが、そういう子は少数派だ。

 
私は、帰宅後すぐの宿題にこだわる必要はないと考えている。
学校から帰ってきたら、友だちと遊んだり自分の好きなことをやったりして、一度息抜きさせたほうがいい。

 
気分転換して頭がすっきりしたところで宿題をやった方が、集中して取り組めるはずだ。

 
ただし、外に遊びに行くときは、帰宅する時刻を厳守させるべきだ。
特に、日が短くなる秋や冬には、身の安全をはかる上でもこれは絶対厳守させるべきだ。




●子どもに宿題をする時間を選ばせる
 
 
では、いつ、宿題をさせればいいのか?

 
これについては、親が「この時間帯にやりなさい」と命じている家庭も多い。
もちろん、それでうまくいっている場合もある。

 
だが、親が決めるのでなく、「どの時間帯なら勉強しやすいのか」と子どもに聞いて、自分で時間帯を選ばせるようにするのも1つの方法だ。

 
大人に夜型や朝型人間がいるように、子どもにも各自のリズムがある。
それに、自分がやりやすい時間帯を自分で選ばせれば、「自分で選んだ時間」という責任も生じる。




●定着するまで待つ親の忍耐も必要
 

「自分が決めたことだからがんばろう」という意欲にもつながる。
また、自分で決めたということでプライドもかかってくる。

 
学年が上がれば上がるほど、自分で決めさせる方法は効果的だ。
ぜひ、一度試してみて欲しい。

 
もちろん、子どもが選んだ時間帯にやらせればすぐうまくいき出すとは限らない。
なぜなら、自分のことがよく分からないのが人間の常だからだ。
したがって、試行錯誤の期間が必要になる。

 
そのときは、親の方にもかなりの忍耐が必要になる。
だが、考えてみれば、大人も朝型にしてみたり、また夜型に戻したりというように試行錯誤をしているのだ。
だから、親には子どもを見守りつつ待つ忍耐が必要なのだ。




●一般的には、夕方が一番はかどる
 
 
とはいえ、一般的な傾向として、一番はかどる時間帯は遊びから帰ってきてから夕食までの間のようだ。

 
つまり、学校から帰ってきて、息抜きも終わった5時15分ころから6時15分ころまでの1時間だ。この時間帯は、食事の前なので、食べ物の消化吸収のために胃腸に血液が集まることもない。
したがって、食後の睡魔に襲われることもない。

 
ところが、困ったことに、この時間帯はテレビで子ども向けのアニメ番組が流されている地域が多いのである。

 
その場合は、見たい番組を録画しておいて後で見るようにするといいだろう。
そうすれば、テレビの都合に自分を合わせなくて済む。




●余裕のある朝型が望ましい
 
 
夕食後に眠くなるのは、消化吸収のために血液が胃腸に集まるからだ。
だが、私は、食べ終わった直後の10分くらいはまだそれほど血液が集まっていないのか意外と眠くならないように感じる。

 
これは、私の個人的な実感であり一般的なことなのかどうかはわからない。
だが、私の場合は、意外と食事の直後に仕事がはかどることもある

 
夕食や入浴が終わるとすぐまぶたが重くなって、起きていられないという子もいるようだ。
そういう子は、翌朝に早起きしてやればいいのである。

 
頭もすっきりしていて勉強に集中しやすいし、登校時刻という締め切り効果も働くので集中力も高まる。
それに、朝型人間になれば、健康にもいい。


だが、早く寝た割りには起きるのが遅くて、余裕が全くない状態で追われるようにやるというのでは精神的によくない。
朝型にするなら、余裕のある朝型にしなければ朝型のよさは活かせない。
そうでなければ、朝型ではなく、ただの「どたばた型」である。