●日本の子どもの自己肯定感が低いのは、「謙譲の美徳」のせいだけではない

 

 

 

国際比較調査を行うたびに、日本の子どもの自己肯定感の低さが問題になります。

では、なぜ日本の子どもの自己肯定感は低いのでしょうか?

 

これには、いろいろな理由が考えられますが、日本特有の「謙譲の美徳」による部分もあ

るのではないかという説があります。

 

つまり、アンケートや調査用紙に記入するときに謙譲の心が働いて、自己評価を低めにつ

けてしまうというわけです。

 

 

 

例えば、「あなたは家族の役に立っていると思いますか?」という問いがあって、次の4

つから選ぶとします。

 

すごく役に立っている

少しは役に立っている

あまり役に立っていない

まったく役に立ってない

 

 

 

本当はすごく役に立っている子どもでも、日本の子どもは謙譲の心が働いて23を選ん

でしまうのではないか、ということです。

 

私も、たしかにそういう部分はあると思います。

でも、同時に、それだけではないのではないかとも思います

 

 

 

●「短所を直す」がモットーだと叱ることが増える

 

 

 

私は、教師時代と教育評論家になってからの合計で36年間、教育に関わってきました。

 

その経験を通して気づいたのは、日本の子育てや教育では、親も先生も子どもの「短所を

直す」をモットーにしていることが多いということです。

 

それに対して、欧米は「長所を伸ばす」がモットーになっていることが多いようです。

「短所を直す」がモットーだと、どうしても叱ることが増えます。

 

 

 

「また○○してない。何度言ったらできるの! ちゃんとやらなきゃダメでしょ!」

「なんでそんなにだらしがないの? そういうところを直しなさい」

「そんなことで怒っちゃダメでしょ! まったく短気なんだから」

「もっとテキパキ動きなさい! 何をやっても遅いんだから」

「忘れ物ばかりしてないで、もっとしっかりしなさい!」

 

 

 

●親が否定的な言語化をすると、子どもは否定的な思い込みを持つようになる

 

 

 

どうしても、このような否定的な言葉が増えてしまうのです。

はじめから自分のことを「だらしがない」とか「短気だ」などと思っている子はいません。

 

でも、親が否定的な言語化をしてしまうと、それを聞いた子どもは、「えっ、ぼくってだ

らしがないんだ」と感じます。

 

 

 

そして、親に繰り返し言われ続ければ、それは確信に変わります。

つまり、自分に対する否定的な思い込みを持つようになってしまうのです。

 

人生は思い込みで決まります。

自分は○○だと思い込めば、だんだんそうなっていくのです。

 

 

 

●「長所を伸ばす」がモットーだと、ほめることが増える

 

 

つづく
TOMASスカラ


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