●お悩み


今春から4年生になる男の子の母ですが、子どもの春休みの過ごし方で質問があります。
春休みは、ほかの休みと違って、宿題もないため、毎年、ただ家の中で、ぼんやりと過ごすことが多いんです。
どのような過ごし方をするのがよいのでしょうか。





●子どもは春休みに一番開放感を感じる



春休みは、夏休みや冬休みと違って、とても開放感のある長期休みです。
ほかの長期休みは「自分は○○先生のクラス」といった帰属感があり、さらに、いろいろな宿題も課せられますが、春休みは、1年を過ごしたクラスと別れたあとの休みで、宿題もありません。


言うなれば、糸が切れた凧のように、ふわふわした状態で、気は緩みがちです。
そのため、事故にあったり、問題を起こしたりなどしやすい時期ともいえます。
 

それだけに目的意識を持って、春休みを過ごすことが、とても大事になります。
「今度4年生になるから、国語を頑張ってみたい」といった目的意識を持つと、気持ちがしっかりして、勉強に取り組む欲も高まります。
 

目的意識を持たせようと親がやりがちなのは「3年生は国語がダメだったから、漢字をやりなさい」など、一方的に、目的を設定すること。
これでは、子どものやる気はでません。


そうではなく、まずは親子で、前の学年で頑張ったり、達成したことをプラス思考で振り返ることが大切です。
 

春休みになると、1年間の成績表やテスト、あるいは図工の作品など、さまざまなものを持ち帰ります。
これらを見ながら「この絵、よく描けたね。お母さん、びっくりしたわ」などとほめながら、一緒に振り返るのです。
 

また、体の成長の記録も持ち帰りますが、小学生は、体が大きくなることにも純粋に達成感を得ます。「身長が6センチも伸びたね!」と一緒に喜んであげましょう。
 

それ以外にも通信教育などをしている場合は、やり終わったものを積み重ねて、頑張った足跡を見せてあげるのもよいでしょう。



●目標を持ったら書きだして“見える化”

 

プラス思考で1年を振り返ると、子どもはとても気分がよくなります。
そうしたら「じゃあ、4年生になったら、何を頑張ろうか」と話を持っていくのです。
 

子どもが自ら「4年生では漢字チャンピオンになりたいから、漢字を頑張る」と目的意識を持ったらベスト。
もちろん、「○○を頑張るのもいいかもね」と親が提案してあげても構いません。
 

こうして目的意識を持ったら、ホワイトボードなどに書き出して、見える化します。
これが意識化につながります。
 

目的を作ったら、そのことを達成するための約束をします。
親子で話し合いながら「毎日漢字を五つずつ覚える」といった具合に決めていきましょう。
こうした段取りを踏むことで、子どもの頑張る意識は高まります。
 

春休みにもう一つ行いたいのは、次の学年から始まる、新しい勉強について、広い意味での予習をすることです。
新しい学年の教科書や教科書準拠の参考書・問題集をめくり、興味のある内容を「楽勉」で予習するのです。
 

楽勉とは、生活や遊びの中で知的に鍛えること。
歴史の勉強であれば、歴史の漫画を読んだりするのです。
これが子どもにとって、次の学年で学ぶ勉強について、興味を持つ一つのきっかけになります。
 

また、前の学年の勉強で、今一つ理解できていないところは、春休み中に修復しておきましょう。
返ってきたテストやノートなどを見て、子どもの苦手な部分を探し出し、親がピンポイントで教えてあげてください。


特に、算数は積み上げ型の教科のため、春休み期間中につまずいている部分を修復することは、とても大事です。



●大切なのは好きなことに集中して取り組むこと
 


ここまで三つのポイントを紹介しましたが、もう一つ、時間がたくさんある長期休みに、ぜひ取り組んで欲しいことがあります。
それは、子ども本人が好きなことを深めさせるということです。
 

例えば、昆虫が好きならば、図鑑を買ってあげたり、一緒に飼育したりと、とにかく親が応援して、子どもが好きなことを追及していくのです。
そうすることで、子どもは知ることが楽しくなりますし、自信もつきます。そして生きる喜びを味わうこともできます。