あまりにも痛ましい結愛ちゃんの死…。
虐待され続け、ついには父親に殴られての死…。
「おねがい ゆるして」とノートに書いて訴えたのに、その願いが届くことはなかった。


繰り返されるこのような事件。
どうしたら防ぐことができるのか?
今このときも、結愛ちゃんと同じような、あるいはそれに近いような状態に置かれている子どもたちが、たくさんいるはずだ。

児童相談所の職員数を増やして体制を強化すること。
これはすぐにやらなくてはならない。
私も児童相談所の職員の話を直接聞いたことがあるが、職員はみんな数多くの案件を抱えて手一杯だ。
手一杯だと、「この件は緊急性がない」と後回しになる案件が増える。

厚生労働省によると、2014年度における全国の児童相談所での児童虐待相談対応件数は8万8931件だ。
これは、児童虐待防止法施行前の1999年度の1万1631人に比べると、7.6倍ということになる。

それに対して、2014年度における児童福祉司(児童相談所で主となって業務に当たる職員)の数は2829人だ。
これは1999年度の1230人に比べると2.3倍ということになる。
件数は7.6倍になっているのに児童福祉司の数は2.3倍になっただけなのだ。
これでは手回らなくなるのは当たり前だ。

職員の数を増やすためには予算の増加が必要だ。
政治家諸氏には「そのうちに」などと言っていないで、今すぐやってほしい。
イギリスには、日本の二十倍もの児童虐待防止の専門職員がいるそうだ。
二倍ではなく二十倍だ。

各園、学校、塾、病院、などとの連絡体制の強化も必要だ。
行政、警察、弁護士などとの連絡体制も強化する必要がある。
私たち全員が「見て見ぬふりをしない」という決意をすることも必要だ。
いじめ問題にも言えることだが、「見て見ぬふり」をしない人が増えれば、事態は改善される。

子育て中の親たちが虐待に走らないように、サポートすることも必要だ。
虐待をしてしまう親たちは、自分自身が大きなストレスを抱えていることが多い。
水が低いところに向かうように、ストレスは弱いところに向かう。
親にとっては子どもがストレスのはけ口なのだ。

ワンオペ育児で息抜きできずストレスがたまっている場合、虐待に進む可能性が高まる。
1年365日の24時間ずっと一緒にいなければならない。
愚痴を聞いてくれる人もいない。
子どもを預かってもらえるところもない。
待機児童が何十人超えだ。
これが先進国?日本の子育て事情なのだ。

また、子育て中の親たちへの過度な要求も虐待の要因になる。
「親は子どもをしっかりしつけるのが当たり前」「しつけができてないのは親のせい」など、完璧な親になるように求める風潮が親たちを苦しめているのだ。

仕事のストレスを抱えている、仕事と子育ての板挟みになっている、社会から孤立している、経済的な不安を抱えている、自己存在感や自己肯定感が低下している、自分が成長する過程で受けたトラウマを引きずっている、などなど。

こういったストレスを抱えている親たちがいっぱいいる。
現代の子育てはかつてないほどハードになっているのだ。

子育て世代に対する物心両面のサポートが喫緊の課題だ。
だが、それを理解している人は少ない。
とくに、政治家や官僚には少ない。
自分たちが恵まれているから理解できないのだ。

最後にマスメディア関係者、とくにテレビ番組をつくる人たちにお願いしたいことがある。
ぜひ、児童相談所の職員たちの仕事の実状を取材して放送してほしい。
「手一杯」の実状を、多くの人たちに知ってもらう必要があるからだ。
報道が単なるセンセーショナリズムに終わることなく、実のある一歩につながるようにしてほしい。

結愛ちゃんのような悲しい死を二度と繰り返さないために。

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