【質問】


何か注意すると、「ママも○○じゃん」「ママもやってない」など、屁理屈で口答えします。先日、私が「着替えが遅い子は連れていかないよ」と言ったら、「何時何分までに着替えって決まっていないんだから、勝手に遅いって決めないで」と答えたので、私も頭に来てしまいました。

相談者:あねもね さん(小2女子)


【親野先生のアドバイス】


拝読しました。
たしかに屁理屈の相手をするのは疲れますね。
ただ、お子さんの年代から考えて、これは中間反抗期の表れの一つと考えられます。


反抗期というと、思い浮かぶのがイヤイヤ期ともいわれる2歳頃の第1次反抗期と、思春期の第2次反抗期です。
それに加えて、最近注目されるようになったのが、その中間の小学校低学年頃に起こる中間反抗期です。


この中間反抗期の顕著な特徴の一つが、屁理屈、口答え、言い訳、揚げ足取りなどが多くなることです。
そして、これは論理的な思考力と言葉による表現力がついてきたことで可能になっているのです。


親が「着替えが遅い子は連れていかないよ」と言ったのに対して、お子さんが「何時何分までに着替えって決まっていないんだから、勝手に遅いって決めないで」と言い返したというのは、非常に論理的ですよね。


頭脳明晰でないといえないと思います。
ですから、これは喜ぶべきことなのです。


どの反抗期においてもいえることですが、反抗期は子どもの成長の証です。
このことを深く胸に刻みこんで、実際に反抗的な態度にあったときにも思い出せるようにしておきましょう。
そうすれば、「来た、来た、反抗期」という感じで、心にゆとりを持つことができます。


そして、イラッとした瞬間に深呼吸しましょう。
そうすれば、「イラッ」だけで終わることができ、「イライラ」にまで進まなくてすみます。


親子で屁理屈の応酬をしても、お互い不愉快になるだけで、よいことは一つもありません。
一番いけないのが、親が感情的にキレて、言ってはいけないことを言ってしまうことです。


「屁理屈言うのやめなさい! あんたなんか口ばっかりで、何やっても中途半端なくせに」
「口答えするな。えらそうなこと言っても、テストで70点も取れないじゃん」


このような人格を否定するようなことを言ってしまうと、子どもは深く傷つきます。
同時に、親の愛情を疑うようになり、後々までしこりが残ります。


また、どの反抗期にも言えることですが、子どもの反抗を親が強権的に抑え込んでしまうのはよくありません。


これだと、子どもは反抗を諦めざるをえませんので、おとなしくなって表面的には問題が解決したように見えます。


でも、子どもは無力感にとらわれるようになって、健全な自我を形成することができなくなります。
「どうせ自分は何を言ってもムダだ」「何を望んでもムダだ」という思いが支配するようになってしまうのです。


もちろん、親として言うべきことを言うことも必要でしょう。
でも、感情的に子どもと屁理屈の応酬をするような形ではなく、落ち着いて冷静に言うことが大事です。

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