【質問】


「読書する子は伸びる」とよく言われますので、子どものうちに本が好きになってもらいたいと思っています。
そのために、絵本の読み聞かせをしているのですが、何か気をつけることはありますか?

相談者・せんべい大好きさん(年少男子)


【親野先生のアドバイス】


拝読しました。
子どもに本が好きになってもらいたいというのは、多くの親の願うことだと思います。


本をよく読む子は、語彙が増え、読解力、思考力、表現力もつきますし、探究心も育ちます。


いろいろな知識が増えるので、勉強にもよい影響がありますし、ひいては仕事やプライベートの充実にもつながります。


また、自分も含めて、人の心の動きがわかるようになりますし、それが思いやりの気持ちにもつながります。
コミュニケーション力の向上にも役立ちます。


そして、本の読み聞かせは、子どもを本好きにするための王道といっていいほど効果的な方法です。
でも、お尋ねのように、やり方によっては逆効果になることもありますので、気をつけるべきことを挙げたいと思います。


まず、一番気をつけてほしいのは何と言っても本の選び方であり、大人が好きな本や大人が子どもに読ませたい本ばかりを優先しないことが大切です。
というのも、大人が読ませたい本と子どもが読みたい本が違うこともけっこうあるからです。


それを私が強調するのは、小学校の教師をしていたときの経験からです。
読み聞かせボランティアの人たちが子どもたちに本を読んでくれることがよくあったのですが、それらの本が高尚すぎて、聞いている子どもたちのレベルや興味関心に合っていないことがよくありました。


日頃からよく本を読んでいて精神年齢や理解力も高い子はついていけるのですが、そうでない子たちはついていけないということが少なからずありました。
こういうことが度重なると、本が嫌いになってしまう可能性があります。


とにかく、まずは子ども本人が「面白い。楽しい」と感じる本を優先してあげてください。
そんな中で、大人が読ませたい本もときどき入れる、というくらいで丁度よいのではないかと思います。


ネットに出ているレビューも参考になります。
レビューを注意深く読むと、「子どもが喜んだ」のか「大人が感動した」のかがわかることがあります。


また、読み聞かせというと、ほとんどの場合、物語の絵本を思い浮かべます。
でも、子どももいろいろで、物語よりも自動車や飛行機の本、動物や昆虫の本、図鑑やカタログのような本などを、好む子もたくさんいます。
そういう子どもの好みにもしっかり応えてあげてください。


繰り返しますが、大人が読んで感動する本、大人が好きなテーマを扱った本、これらが必ずしも子どもが興味関心があるとは限らないということは、つねに頭に入れておいてください。


2つめとして、子どもの表情をよく見ながら読むことが大切です。
表情を見ていれば、その理解度や関心度がわかって、それに合わせて読み進めることができます。

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