【質問】


5年生で体育委員の娘が、「月曜日に一輪車が使えるのは低学年と決まっているのに、クラスの友達が『貸して。毎日練習して一輪車に乗れるようになりたいの。たくさん余ってるんだからいいじゃん』と言ってくる」と悩んでいます。


「たしかにたくさん余ってるし、がんばっている友達に貸してあげたい気持ちもあるけど、規則を破りたくはない」ということで困っています。
どうアドバイスすればいいでしょうか?


相談者・ブルゾン45さん(小学5年生女子)



【親野先生のアドバイス】


ブルゾン45さん、拝読しました。
これは実に難しい問題ですね。
「友達を大切に」と「規則を守るべき」の2つのモラルが葛藤している、いわゆるモラルジレンマの状態ですから、大人でも迷うところだと思います。


ダメなものはダメでしょ。規則があるんだから体育委員が破ったらダメでしょ「貸してあげたいけど、規則だから、ごめんね」と言い訳しつつ、ひたすら謝る貸したりしたらあなたが先生に叱られるよ


たくさん余ってるんだから、こっそり貸してあげれば?
知らないうちに借りられたということにしておけばいい貸してあげないと嫌われちゃうよ


などなど、いろいろな対応が考えられますが、いざ決める段になると悩みますね。
でも、私はこういう場面では一緒に悩んであげること自体が大切だと思います。


もし、親が「いいよ、いいよ、貸してあげなよ」「先生にばれなきゃいいんだよ。こっそり貸しちゃえばいいじゃん」などと、いとも簡単に答えてしまうとどうなるでしょう?


子どもは、「この人は規則を平気で破るんだ」と思って、親に対する不信感を持ってしまうかもしれません。


または、「そうか、こういうときは規則を破ってもいいんだ」と簡単に考えてしまう可能性もあります。


もし、反対に、親が「ダメなものはダメに決まってるでしょ。規則なんだから」とか、「ダメ、ダメ。貸したらあなたが先生に叱られるよ」などと、あっさり答えてしまうとどうなるでしょう?


子どもは、「そんな簡単な問題じゃないんだよ。友達との関係も大事なのに。この人には私の苦しい気持ちはわかってもらえない」と感じるかもしれません。


または、「私がこんなに悩んでいるのに真剣に考えてくれない。私のことなんてどうでもいいのかも。この人に言ってもムダだ」と思ってしまう可能性もあります。


ですから、こういうときは、いきなり大人の考えを言うのではなく、まずは子どもの悩んでいる気持ちに共感してあげることが大事です。


たとえば、「それは困ったね。どうしたらいいかねえ…」「これは悩むよね。あちらを立てればこちらが立たずで、難しい問題だね」などと、一緒に悩んであげてください。


子どもは、自分の悩みや苦しい気持ちがわかってもらえただけで、だいぶ気持ちが楽になります。


そして、「大人にとっても難しい問題なんだ。誰でも悩むんだ。私が悩むのも無理ないな」とも思える
ようにもなります。


そして、次の段階は、共感しながらも、子どもが悩んでいる問題点と選択肢などについて明確にしてあげることが大事です。

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