【質問】


「カレーがいい」と言うので作ったら、「やっぱ、餃子がよかった」と言う娘。「ご飯おかわり」と言うから盛ったら、「もういい。イチゴ食べる」と言い出す。友達の体操教室の様子を見て「やりたい」と言うからやらせたら、1回行って「もう行かない」と言い出す。言うことがコロコロ変わるので頭にきます。無責任でわがままでウソつきにしないためには、自分が言ったことに責任を取らせた方がいいでしょうか?


相談者・こだわりのカステラ さん(年長 女子)

【親野先生のアドバイス】


こだわりのカステラさん、拝読しました。


たしかに、子どもはすぐに気が変わり、言うことがコロコロ変わりますね。
その度に振り回される大人は大変です。


バイキングの料理を取りすぎて、「そんなに食べられないでしょ」と注意すると、「全部食べるから大丈夫。あとケーキも欲しい」と答え、いざとなると結局は残す。


「早く寝ないと明日起きられないよ」と注意すると、「ちゃんと起きるからもっと遊ぶ」と答え、いざとなると結局は起きられない。


子どもとの生活ではこういうことが毎日起こります。
では、なぜ子どもは言うことがコロコロ変わるのでしょう?
彼らは無責任でわがままでウソつきなのでしょうか?


いえいえ、決してそうではありません。
気持ちがコロコロ変わり、言うことがコロコロ変わるのは、子どもの本質に根ざした現象なのです。
これこそが子どもらしさそのものであり、仕方のないことなのです。


子どもの本質とは何でしょうか?
それは、「今・ここ」に生きているということです。


子どもたちは、過去を引きずることもなく未来を心配することもなく、「今のこの瞬間」に全力で生きています。
つまり、あとさき考えないのが子どもなのです。


今、カレーが食べたいのであり、ご飯をもっと食べたいのであり、体操をやりたいのです。
今、もっと遊びたいのであり、バイキングのあれも食べたいしこれも食べたいのです。
この後どういう状況になるかなど、まったく考えていません。


今はお腹がすごく空いているけど、自分が取ったバイキング料理を食べ進めれば、やがてお腹がいっぱいになって、全部は食べられないかも知れない…。
体操教室でいろいろなことができるようになるとかっこいいけど、そのためには毎週3回も練習に通わなければならないし、友達と遊ぶ時間はかなり減るかも知れない…。


などなど、この後の未来に起こってくる状況を想像して、総合的に判断するなどということはできないのです。


大人はいろいろな経験をしていますから、そういう状況が想像できますが、子どもには難しいことです。
でも、だからこそ子どもはかわいいのです。


食べるときはガツガツ食べて、ボロボロこぼし、お腹が満たされれば寝る。
寝るときは爆睡。
ギャーギャー泣いて、プンプン怒って、ケラケラ笑う。
散歩に行けばスキップ、意味もなくダーッと走って、岩があればジャンプして乗る、そのうち疲れたと言ってへたり込み、ちょっと休むと回復してまた走り出す。
泥水があればどんどん入っていき、靴も服もビチョビチョ。
犬のウンチを見つけて大騒ぎ。
まさに「今・ここ」に全力投球です。


大人なら、「こんなことしたら後で疲れる」「こぼすと掃除が大変だ」「汚したら洗濯が大変だ」「だからやめておこう」となるところですが、「今・ここ」に生きている子どもはそんなこと考えません。


そんなこと考え始めたら、もう子どもではありませんし、かわいくないですね。
考えないから子どもであり、だからかわいいのです。
だから、すぐ気が変わり、言うこともコロコロ変わるのです。
これが子どもの本質であり、無責任とかわがままとかウソつきとか、そういう問題ではないのです。
ですから、そういう子どもらしさを丸ごと受け入れて、楽しんでしまいましょう。親野智可等のメルマガ
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