[ 問題 ]


子どもの日記や書き取り帳を見たら、漢字で気になることがありました。
例えば次のようなところです。

1,「形」の3画目が上についていない
2,「下」の3画目が2画目についていない
3,「反」の4画目が上についていない

子どもの教科書を見ると、これらのところは離れることなくちゃんとついています。
さて、あなたの考えは?


A.ついていてもいなくても、どちらでもいい

B.必ずしっかりつけさせた方がいい

C.普段は大目に見て、テストではしっかりつけて書くように言えばいい









診断結果



Aを選んだ人:◎

これらは全てついてもつかなくてもいいところです。
各社の教科書によっても、ついていたりついていなかったりします。
これらは完全に許容の範囲内です。



Bを選んだ人:×

細かいことを言いすぎると、子どもが漢字嫌いになるだけです。
それより、たくさんの漢字を読めて書けるようにすることが大切です。



Cを選んだ人:○

本来ついていてもいなくてもいいところなので、本当はテストでバツはつけられないのです。
でも、採点者がその事実を知らずに過度に厳密な採点をすることがよくあります。
その可能性がある場合はそれに合わせた方がいいでしょう。


ポイント


重箱の隅を楊枝でほじくるような漢字の指導は、漢字嫌いの子を増やすだけです。
でも、学校、塾、家庭などの至る所でそのような指導がされています。


日本の漢字使用のもとになる常用漢字表では次のようになっています。
「木」の2画目ははねてもはねなくてもいい。
「戸」の1画目は横棒でも点でもいい。
「切」の2画目は「縦棒を曲げてからはねる」「縦棒を曲げずにすぐはねる」「縦棒を曲げてから止める」のどれでもいい。
「女」の2画目は横棒の上に出ても出なくてもいい。


でも、どちらでもいいというと、子どもたちが覚えにくくなり負担が増えるだろうということで、子どもたちには学習指導要領の学年別漢字配当表の字体である「教科書体」をもとに指導することになりました。
その表では「木」の2画目はとめてあり、「戸」の1画目は横棒です。
それで、各社の教科書もそうなっています。


その経緯を知っていれば、「木」の2画目がはねてあってもバツにはできないのです。
知らないと、「木」の2画目がはねてあるとバツという許容のないいきすぎた厳密さになってしまいます。


ましてや、この問題にある「形」「下」「反」3つの例は、それよりももっとどちらでもいいレベルの問題です。
ですから、各社の教科書によってもついていたりいなかったりするのです。


学校、塾、親のどの立場においても、上記の経緯に則して、許容の範囲を理解した上で指導に当たるべきです。
それでないと、子どもたちの負担が増えてしまうだけで本来の主旨が台無しになってしまいます。


【親野智可等@まぐまぐニュース】

http://bit.ly/2nbcOox


親野智可等の講演
親野智可等のメルマガ
親野智可等の本
親野智可等@アマゾン
遊びながら楽しく勉強
取材、執筆、お仕事のご依頼
親野智可等のお薦め
親野智可等のHP

「フォレスタネット」先生の授業準備のための情報サイト

国語のお薦め
漢字のお薦め
語彙力をつけるには?
算数のお薦め
算数の図形の力をつけるには?
遊びながら力がつく算数ゲーム
理科のお薦め
これがイチオシ理科マンガ
社会科が好きになるお薦め
歴史が好きになると一生楽しめる
地理が得意になると社会科全体が好きになる
図鑑が子どもを伸ばす
多種多様な図鑑
幼児にオススメ
お薦め知育教材
子どもは伝記で自分の人生を考える
親力アップにお薦めの本
発達障害?と思ったら
パパ・祖父母・PTAのオススメ
思春期の子をお持ちの方にオススメ