公立小学校で23年間教師を勤めた親野智可等さん。
子どもたちが未来を切り拓くために必要な力は“自己実現力”。
そのために親ができることは何か。引き続きお話を伺います。
── 子どもにはやりたいことを自分で見つけさせること、それが見つかるように紹介と推薦を続け、そして子どもがやりたいことを見つけたら応援してあげる。
そうやって自己実現力を身につけていくんですね。
そうです。
そんなに難しいことではありませんが、子どものペースにじっくり付き合ってあげることはもしかしたら大変かもしれませんね。
先日病院へ行ったときこんなことがありました。
受付に診察券を入れる機械があり、幼い子どもが診察券を入れたいと言って聞かない。
じゃあこれをこう向きに入れてとお母さん。
そのあと紙が出てきたり子どもにとってはわくわくする作業が続くわけです。
時間がかかるけれどやりたいだけやらせる。
子どもにとっては大人の機械を使いこなせたという自信、お母さんの役に立った達成感で満たされます。
些細なことですが、これが自己実現です。
危険なこと、人の迷惑になることはだめです。
ですが、それ以外のことは、子どもの主体的なやる気を大切にしてあげてください。
── 思春期になると、親の言うことを素直に聞かなかったり反抗期の悩みもあります。
そうですね。
中学生にもなると、細かい小言を言い続けても絶対無理です。
もちろん、人間として許されないことや、犯罪的なことに関しては、絶対許してはいけませんが、そうでない日常の細かいことで叱り続けるのはやめた方がいいです。
たとえば、「靴下を脱ぎっぱなしじゃダメでしょ」「食べるとき肘をつかない!」など、言い続けてもお互い不愉快になるだけですから、諦めて目をつむった方がお互いのためです。(笑)
でも、だからといって、何も話しかけないでいるのもよくありません。
子どもは親に見放されたように感じて、「どうせ自分のことなんかどうでもいいんだ」と思うようになってしまうからです。
ですから、「おはよう。今日もいい天気だね。美味しい味噌汁できてるよ」「お帰り、お疲れ様。大変だったね」など、相手を思いやる言葉を掛けてあげてください。
親は、小言と声かけの違いを意識している必要があります。
子どもからは無視されるか、あるいは「別に」「うぜえ」などの冷たいひと言が返ってくるかもしれませんが、それでも全く声かけをやめてしまうのはよくありません。
親の愛情を伝え続けることが大切です。
食事の献立に自分の好きなものが出てくるだけでもうれしいものです。
朝、明るく「おはよう」と言われるだけでも親の愛情を感じることができます。
この時期にもうひとつ大切なのは……
つづく
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