あるとき、1年生の親たちの懇談会でこういう話題が出ました。
子どもが幼稚園・保育園のときはいろいろなことでたくさんほめていたのに、1年生になったころからほめられなくなったというのです。


みなさんはそうなっていませんか?
これは、1年生になると勉強でも運動や生活習慣でも、親が「○○をやらせなくては…」「□□をできるようにさせなくては」と思うことが増えるからだと思います。


親の頭の中で、やらせたいことが次から次へと増殖して、子どもへの要求もどんどん増えます。
すると、子どものできないことばかりが目立つようになり、叱ることが増えます。
そして、自分の価値観という色眼鏡を通してしか子どもを見なくなるので、子ども自身が好きでよくやっていること・熱中していることには価値を見いだせなくなってきます。


●親たちは、子ども自身が好きでよくやっていることをほめられない


実際に、次のようなことに熱中している子どもがいたのですが、どの親もそれをほめることはありませんでした。
中には、ほめられるどころか叱られた子もいます。


絵を描くのが好きで夢中で描いている。
ダンゴムシが大好きでたくさん飼っている。
イラスト入りの地図を作るのに熱中している。
紙に迷路を描くのが得意でいつも描いている。


ミミズを飼うのが大好きで、いつも土を掘っている。
ゴミを集めてテープや紐でくっつけ、オブジェ?を作るのに熱中している。
某アニメが大好きで、登場人物の特徴にも精通している。


こういう例はたくさんあります。
というのも、だいたいにおいて子どもが熱中することは、親の色眼鏡を通せばくだらないことだからです。
でも、これはあまりにももったいないことです。
子どもがせっかくやる気になってがんばっていることをほめないのですから。


●子ども自身が好きでよくやっていることをほめると、いいことがいっぱい起きる


もし、ここで親がほめることができればいいことがいっぱい起きます。
子どもは1つのことでほめられると自信がつきます。
すると、他のこともできそうな気がしてきてがんばるエネルギーがわいてきます。
もちろん、勉強にもいい影響が出ます。


また、ほめられることで、子どもは親の愛情を実感することができます。
お父さん・お母さんは自分のことを大切に思ってくれている、と感じることができるのです。
すると、お父さん・お母さんの言うことを素直に聞けるようになります。
親の愛情を実感できると、心が満たされるので、きょうだいや友達にも優しく接することができるようになります。


●もっと深められるよう応援してあげよう


さらに、子どもが熱中していることをほめるだけでなく、それがもっと深められるように応援してあげてほしいと思います。

つづく
ママノート

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