今回の相談

 息子の友達が3人、よく家に来て一緒に遊んだり勉強したりします。その子たちは3人ともしっかりしていて、勉強もよくできて片付けも上手です。それに比べてうちの子はだらしがなく、ノートの字は雑、勉強はできない、片付けも下手ときています。
 男子と女子なら、男子だからしょうがないと思えるのかもしれませんが、男子同士なのでどうしても比べてしまいます。

相談者・あちこち48 さん(中学2年生 男子)



【親野先生のアドバイス】

あちこち48さん、拝読しました。

保護者という存在は常に我が子をよその子と比べてしまうものですね。さらには、きょうだいで比べ、自分が子どものころと比べ、マニュアルと比べてしまいます。
つまり、保護者はみんな「比べる病」にかかっているのです。比べると常に隣の芝生は青く見え、我が子はみすぼらしく見えてしまいます。
たとえ男子同士であっても、個人差というものもまた大きいものです。どの子にも持って生まれたものがあり、それぞれにオリジナルの成長ペースがあるからです。
それに成長が早ければいいというものではありません。促成栽培よりも大器晩成です。

さらに、比べる病だけでなく、保護者は常に我が子にないものばかりを求める「ないものねだり病」にもかかっています。そして、うちの子はあれができない、これもできないと嘆き、子どもを叱り続けます。
そうすると、お子さまは自分に自信が持てなくなりますし、がんばるエネルギーもわいてきません。叱られ続けることで、当然、親子関係も良好でなくなるでしょう。
本当はどの子もとてもよいところを持っているのですが、保護者にはそれが見えなくなっています。この2つの病気を治さないと、いつまで経っても安らかな日々はやってきません。
たとえお子さまがどんなにがんばったとしても、そしてどんなに成長したとしても、結局同じ小言を言い続けることになります。サングラスをかけていれば、すべてのものが白黒に見えるのと同じです。
お子さまに求めるのではなく、まず自分のものの見方を変えることが必要です。
ですから、もうこれからは「比べない」「ないものねだりをしない」と決意して欲しいと思います。

決意すると同時に、積極的に見方を変えていきましょう。効果があるのが「あるもの見つけ」です。それは、ありのままの我が子が既に持っているありがたいものを見つけるということです。

たとえば、だらしがないとはいっても、毎日明るく元気に生活しているわけです。
ノートの字が雑で困るとのことですが、それでも字は書けるのです。
勉強ができないとはいっても、そこそこある程度はできるはずですし、日本語が話せて数も数えられるはずです。
遊びの後片付けができないとはいっても、いろいろな物を使って遊べるのです。
それに、3人もの友達がよく家に来てくれて、いつも仲よく遊んだり勉強したりできるというのは、本当にありがたいことです。
ほかにも、走るのが遅いというかもしれませんが、それでも走ることができます。
自分で起きられないとはいっても、起こせば起きて歩いて動けます。