●人類の歴史の中で、子どもがこれほど急かされる時代は初めて


「早くしなさい!」「早く、早く」「遅い!」「急いで急いで」。
こういった子どもを急かす言葉を、親はつい言ってしまいます。
あなたは毎日何回くらい言っていますか?
一度意識して数えてみるといいと思います。


多い人は一日に百回くらい言っているかも知れません。
もっと社会全体がのんびりしていた頃は、こんなことはなかったはずです。
人類数万年の歴史の中で、子どもたちがこれほど急かされる時代というのは、初めてと言っていいのではないでしょうか。


●子どもはみんな一生懸命。「早くしなさい」は親の勝手な都合


それに、ほとんどの場合、子どもは子どもなりのペースで一生懸命生きているわけで、特にサボっているわけでもないのです。
また、生まれつきのんびりしているマイペースな子もいます。


これほど急かされるのは大人の勝手な都合によるところが大きいのであり、子どもにとっては迷惑な話です。
そして、迷惑なだけでなく、毎日「早くしなさい」と言われ続けると、子どもたちにはいろいろな弊害が出てきます。


●「入学までに直そう」と急かし続けた結果


私の知っているあるお母さんは、小学校入学を控えた年長の男の子に、毎日「早くしなさい!」「早く、早く」「遅い!」「急いで急いで」と言っていました。
というのも、その子はマイペースな子なので、お母さんは「こんなことでは小学校でみんなについていけない。入学までにもっとテキパキ早く行動できるようにしなければ」と思ったからです。


そして、入学までの3か月間、毎日子どもを急かし続けました。
その結果、どうなったかというと結局テキパキ早く行動できるようにはなりませんでした。
お母さんが見ているところでは一応急ぐ様子を見せるのですが、見ていないところでは全然です。 そして、後でわかったのですが、親の見ていないところで、妹やペットを叩いたりけったりしていじめていたのです。


●朝から急かされ叱られると交通安全面のリスクが


朝から急かされたり叱られたりして、落ち着かない気持ちのまま家を出る子どももいます。
そういう子は、交通安全面でのリスクを負うことになります。
落ち着きのない精神状態で道を歩いていると、注意散漫になって大変危険です。
普段なら飛び出しなどしない子でも、こういうときはうっかりやってしまう可能性もあります。


また、暗い気持ちのときはうつむき加減で下を向いて歩くようになります。
すると、視野が狭くなって危険に気づくのも遅くなります。
とにかく、子どもが登校する時間帯は大人たちの通勤ラッシュの時間でもあり、道路には先を急ぐ自動車や自転車が溢れていて危険です。


●友達とケンカ。授業にも集中できない


学校に着いてからも落ち着かない気持ちを引きずっている場合は、友達とのケンカも起こりやすくなります。
また、授業にも集中できなくなる可能性があります。

つづく
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